東京高等裁判所 昭和55年(ラ)1290号 決定 1980年12月08日
抗告人
清田権一郎
右代理人
熊谷林作
熊谷秀紀
主文
本件抗告を却下する。
理由
記録によれば、原裁判所は、本件遺産分割調停事件(原審・昭和五四年(家イ)第二三九二号)の調停が成立せず、家事審判法二六条一項により審判に移行した後の手続(原審・昭和五五年(家)第七四一五号)において、家事審判規則一〇六条一項による遺産管理者選任の原審判をしたものであることが明らかである。ところで、家事審判法一四条によれば、審判に対する不服申立は、最高裁判所規則に定めがない限り許されないものと解すべきところ、家事審判規則一〇六条一項の仮の処分たる審判については、不服申立を許す旨の規定がない。
よつて、原審判に対する不服申立は許されないというべく、本件抗告は、不適法であるから、これを却下することにし、主文のとおり決定する。
(鰍澤健三 沖野威 佐藤邦夫)