大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和55年(ラ)893号 決定

競売法二九条、民訴法六五八条二号が競売期日の公告に不動産の租税その他の公課を記載させるのは、競買申出人をして競売不動産に対する競買価額を定めるについての参考資料とさせるものであるから、なるべく最近の年度の公課を記載することが妥当であることは所論指摘のとおりであるが、しかし必ずしも競売期日の年度あるいは最近の年度のそれを公告すべき旨の厳格な法律の定めはないのであって、要は前示の目的を達しうる限りにおいては、過去の年度の公課を公告した一事をもって公告の要件を欠く違法のものということはできない。

これを本件についてみるに、本件入札期日の公告の最近における公課(昭和五四年度のもの。)が右公告された昭和五〇年度のそれと対比して、格段の差異がないこと、また、本件競落価格合計八一一八万円(最低競売価額合計五九三〇万三〇〇〇円)に不当な影響を及ぼした事跡は、本件記録を精査しても発見することができないから、右公課の記載をもって本件入札期日の公告が違法であるとはいい難い。

(倉田 井田 高山)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!