大判例

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東京高等裁判所 昭和56年(ネ)1472号 判決

《証拠》によると、別紙目録記載(五)の手形については、大伸物産から常陽銀行に対してなされた前叙の譲渡裏書が、裏書人名義部分を含めて全部抹消されていることが認められるので、右手形を他の手形と同様に被控訴人が大伸物産から交付を受けて所持していることは前掲各証拠によって認められるけれども、有効な白地式裏書による譲渡がなされたものとはなしえず、右手形債権を取得したとする被控訴人の主張は認められない(右手形についても、前掲各証拠によって、譲渡の合意に基づき手形の交付がなされたことにより指名債権譲渡の方法による譲渡があったものと認めることはできなくはないが、右譲渡をもって控訴人に対抗するために必要な通知又は承諾があったことは、証拠上認められない。本件において、被控訴人は右指名債権譲渡の方法による手形の取得は主張していないし、これを主張しても、控訴人により右対抗要件の欠缺を指摘されることは、当然予測されるところである。

ちなみに、同目録記載(四)の手形については、《証拠》によると、常陽銀行に対する裏書中被裏書人欄のみが抹消されるにとどまっていることが認められるので、被控訴人をもって裏書の連続ある手形の所持人となしうるか否かについては見解が分れるにせよ、前掲各証拠によれば、右裏書中抹消されなかった記載を利用し白地式裏書として右手形が交付された事実が認められるのであるから、これにより右手形債権が被控訴人に譲渡されたとすることを妨げられるべき理由はない。

(横山 浅野 水野)

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