大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和56年(ラ)561号 決定 1981年10月27日

抗告人 甲野太郎

相手方 乙山春子

<ほか一名>

右両名代理人弁護士 鎌田寛

被参加人 甲野夏子

<ほか一名>

主文

本件抗告を棄却する。

抗告費用は抗告人の負担とする。

理由

一  本件抗告の趣旨及び理由は、別紙抗告状(写)記載のとおりである。

二  当裁判所の判断

記録によると、抗告人が補助参加を申し出てた静岡地方裁判所沼津支部昭和四九年(ワ)第三〇九号遺留分減殺請求事件(以下「本件本案訴訟」という。)は、相手方丙川秋子及び同乙山春子が原告となり、抗告人並びに被参加人甲野夏子及び同甲野冬子を共同被告(以下この両名を「被参加人両名という。)として、右当事者らの被相続人亡甲野ハナ(昭和四三年二月五日死亡)が同年一月五日抗告人及び被参加人両名に対してした死因贈与が相手方らの遺留分を侵害する旨主張し、本件死因贈与の減殺請求をするとともに、相手方らが本件本案訴訟の訴状添付の別紙物件目録記載の各不動産について各自一六分の一ずつの共有持分権を有することの確認を求めるものである。

抗告人は、補助参加の利益として、本件本案訴訟において被参加人両名が敗訴し、前示不動産につき第三者が共有者として新たに加われば、分割請求等を受けるおそれがあることをあげているが、右のようなおそれは、抗告人が、相手方らと被参加人両名との間の訴訟の結果につき法律上の利害関係を有すると認めうる事由とはいえない。したがって、本件抗告は理由がないから、これを棄却することとし、抗告費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 園田治 裁判官 菊池信男 柴田保幸)

<以下省略>

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例