東京高等裁判所 昭和56年(ラ)737号 決定
民事執行法一〇条二項は、執行抗告は抗告状を原裁判所に提出してしなければならない旨規定し、抗告状を抗告裁判所に直接提出することを認めていない。同項がこのように民訴法四一六条一項の規定と一部異なる抗告提起の方式を定めた目的は、民事執行法一〇条の他の規定と相俟って執行抗告の濫用による弊害を排除し、執行手続の適正、迅速化を図ることにあるから、右第二項の規定に反して抗告状を直接抗告裁判所に提出してなされた執行抗告は不適法である。しかも、このような場合当該抗告を原裁判所に移送することも前記の目的に反するうえ原決定の確定の有無が不明確となるおそれがあるから、これを認めることができない。
(岡垣 手代木 上杉)