大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和57年(ラ)617号 決定

本件記録によれば、抗告人が昭和五六年一月二一日所有者山本侃から本件不動産を期間を二〇年、賃料一か月金五万円と定め、敷金一〇〇〇万円を交付して賃借した旨の賃貸借契約書が存在し、抗告人が、同年二月六日本件不動産につき停止条件付賃借権設定仮登記を経由したこと、同年四月一七日の執行官による現況調査の際、執行官に対し、同年一月二〇日から本件不動産を現実に占有している旨陳述したこと、本件において、差押えの効力が生じたのは、同年二月二〇日であることが認められる。<中略>これらの事実によれば、抗告人主張の賃貸借契約の存在そのものに疑問があるが、仮に、その存在が肯認されるとしても、抗告人が本件差押えの登記がなされた昭和五六年二月二〇日前から本件不動産を占有している者ではないことが認められる。そうすると、抗告人は、民事執行法第八三条第一項ただし書にいう「事件の記録上差押えの効力発生後に占有した者」に該当するが、右占有によってはもとより、前記仮登記によっても、その賃借権をもって買受人である相手方に対抗することはできないものである。

(野崎 浅野 水野)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!