大判例

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東京高等裁判所 昭和58年(う)1713号 判決

所論は,要するに,原判決は,「被告人は,(中略)普通乗用自動車1台(時価129万7,150円相当)の交付を受けてこれを騙取した」と認定しているが,本件自動車の価額は車両本体の価格115万円と認定すべきであり,原判決は,これに保険料等14万7,150円を加算したものと認められるけれども,この保険料等は元来買主において支払うべきものを売主である被害会社において立替払いをするというものにすぎず,この金額についても詐欺をもって論ずるとしても,本件自動車の騙取とは別個に論ずべきものであって,すなわち,原判決には,この点にも,判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認があり,ひいて理由の不備があるというのである。

しかし,本件自動車の引渡価格は,車両本体115万円に諸費用7万円,自動車税2万8,750円及び任意保険料4万8,400円を加えた129万7,150円であるところ(原判決挙示の,寺井義雄の司法警察員に対する昭和58年7月13日付供述調書参照),原判示事実中「時価129万7,150円相当」とあるのはこの引渡価格を指すものと認められるのであって,原判決には何ら事実の誤認,理由の不備はない。論旨は理由がない。

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