東京高等裁判所 昭和58年(ネ)1598号 判決
前記争いのない事実によれば、本件第二決議の内容は本件ビルを各部門別に分け共用部分の管理費の負担割合を定めるものであるところ、共用部分の管理費をどのように定めるかは、建物の区分所有等に関する法律(昭和五八年法律第五一号による改正前のもの)一三条(以下法という。)にいう共用部分の管理に関する事項に該当することが明らかであり、共用部分の管理に関する事項は規約に別段の定めがあればそれが優先するが(法八条)、規約がない場合には共有者の持分の過半数で決すべきこととされているから(法一三条一項、昭和五八年法律第五一号による改正法附則二条但書・一八条参照)、区分所有者の集会において決議された場合(法三一条)には、各区分所有者は原則として右決議に従い管理費支払義務を負担することとなると解すべきである。けだし、法一四条は、民法二五三条と同趣旨の規定で、公平の見地から規定されたものであるが、もともと共用部分の管理費の負担割合をどのように定めるかは区分所有者の内部自治に委ね得る性質の事項であるから、法一四条は任意規定と解するのが相当であり、集会の決議で持分割合のほか他の要素を加味した基準により管理費の負担割合を定めることもその内容が著しく不公正、不公平でない限り許されると解して妨げないからである。本件において、規約の存在していることは全証拠によっても認められないところ、本件第二決議の内容が著しく不公正、不公平でないことは後記認定のとおりであるから、管理費の負担割合が単にその持分に応じて定められていないという理由で右決議が法一四条に違反し無効となるいわれはないと解すべきである。
(鈴木 時岡 山崎)