大判例

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東京高等裁判所 昭和58年(ネ)2446号 判決

三 次に、抗弁2(差押の競合)について判断するに、本件差押・取立命令が昭和五四年三月二三日に発せられ、翌二四日に債務者である赤羽及び第三債務者である控訴人に送達されたことは、前判示のとおり当事者間に争いがないから、民事執行法附則四条、一条により、右命令による執行手続については旧民事訴訟法の規定が適用されることは明らかであるところ、《証拠》によれば、訴外昭和信用株式会社は、昭和五八年六月一五日作成にかかる債務弁済契約公正証書記載の赤羽(訴外浜九産商株式会社の債務についての連帯保証人)に対する債権を請求債権として、同月二七日、被控訴人が本件差押・取立命令により差押えをなした赤羽の控訴人に対する給料等債権を含む債権について、債権差押命令を得、同命令が同月二八日控訴人に送達されたこと、昭和信用が控訴人に対し、昭和五九年三月末日ころ到達の書面をもって右給料等債務を供託すべきことを求めたことが認められ、右認定に反する証拠はない。被控訴人は、再抗弁として、右債権差押命令の請求債権は執行妨害の目的で作出された架空のものであり、昭和信用は赤羽に対し何ら債権を有しない、と主張するが、本件にあらわれた証拠のみによってはこれをたやすく肯認することはできないものというほかない。

そうすると、旧民事訴訟法六二一条二項により控訴人は、配当にあずかる債権者昭和信用の求めにより右供託をすべき義務を負うものであり、したがって、被控訴人は、控訴人に対し、右給料等債務を供託の方法により支払うべきことを求めうるにとどまるものといわなければならない。

(鈴木 仙田 河本)

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