大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(う)812号 判決

被告人 川元奉史

〔抄 録〕

記録を調査して検討すると、被告人は、原判決認定の窃盗の事実につき、昭和五九年三月一二日勾留状の執行を受け、同月一六日右事実につき勾留のまま起訴され、同年四月二七日原判決の言渡を受けるまで引き続き勾留されていたものであるが、他方、被告人は、右勾留中の同年三月三一日から同年五月二六日までの間、仮出獄中であった別件の詐欺および窃盗罪による懲役一年の刑(昭和五六年一〇月三〇日新潟地方裁判所新発田支部言渡)の残刑の執行を受けたことが認められ、昭和五九年三月三一日以降の未決勾留は、右残刑の執行と競合するものであって、本刑に算入することはできないから、本件において本刑に算入し得る未決勾留日数は前記勾留状執行の同年三月一二日から右残刑執行開始の前日である同年同月三〇日までの一九日間であること明らかである。弁護人は、残刑の執行は午前零時から開始されるわけではないから、残刑の開始された当日は未決勾留日数に含まれると解すべきであると主張するけれども、受刑の初日は時間を論ぜず全一日として計算するとの刑法二四条一項に照らし採用できない。

そうすると、原判決が右日数を超えて二〇日を本刑に算入したのは刑法二一条の解釈適用を誤たっものであり、その誤りが判決に影響を及ぼすことは明らかであるから、原判決は破棄を免れない。

(山本 佐野 近江)

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