大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(く)62号 判決

本件勾留の基礎とされた本件公訴事実は,被告人において,昭和58年10月21日午前7時ころ,松戸市大金平2丁目68番地の1マンション第7松戸202号室玄関付近において,千葉県警察本部警備部警備第二課所属司法警察員警部中林博明が,捜索差押許可状に基づき同室を捜索しようとした際,右警部に対し,その胸部に2回体当りする暴行を加え,もって,同警部の右職務の執行を妨害した,というものであるところ,原審において,被告人及び弁護人は,捜査手続に違法があること等を理由に本件につき公訴棄却を申立てたほか,右公訴事実は捜査機関の捏造である等としてこれを全面的に争い,被告人の無罪を主張していること,これまで3回公判が開かれているが,検察官が取調べを請求した証拠に対する弁護人の意見の開陳も未了であること,本件は組織的背景を有する事案であることが窺われ,被告人の保釈を許可すると,原審相被告人や組織関係者らと通謀し,あるいは本件現場付近の関係者らに働きかけるなどして罪証を隠滅するおそれが大きいと認められること,以上のような諸点に徴すると,本件公訴事実につき,被告人には刑訴法89条4号所定の事由があるものと認められ,また被告人を裁量によって保釈することが適当であるとは考えられないので,被告人に対し保釈を許可した原決定は失当といわなければならない。

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