大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ラ)430号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

よつて検討するに、本件記録によれば、本件競売の申立人である三井物産株式会社は、昭和四八年一二月一八日東機エンジニアリング株式会社(以下「東機」という。)との間で同社所有の本件土地建物につき極度額六〇〇〇万円の根抵当権設定契約を締結し、昭和四九年一月九日その旨の登記を経由したこと、共栄物産株式会社は、昭和五六年九月二五日東機との間で本件土地建物につき極度額四〇〇〇万円の根抵当権設定契約を締結するとともに別紙賃借権目録記載の短期賃貸借契約を締結し、同年一〇月一二日根抵当権設定登記及び賃借権設定仮登記を経由したこと、抗告人は、同年一〇月一三日付共栄物産株式会社との賃借権譲渡を原因とし、昭和五七年一月二五日賃借権移転仮登記を、さらに昭和五六年一二月六日付同社との債権譲渡を原因とし、昭和五七年二月一八日根抵当権移転登記を各経由し、昭和五六年一〇月一四日ころ以降本件建物を占有していること、同年一二月一六日本件土地建物につき本件不動産競売開始決定がされ、同月一八日差押登記がされたこと、三井物産株式会社は抗告人及び東機に対し民法第三九五条但書に基づき右賃貸借契約の解除、賃借権設定仮登記、賃借権移転仮登記の抹消を求める訴えを提起し、昭和五八年八月二〇日原告勝訴判決が確定し、同年九月三〇日右各登記が抹消されたこと、昭和五九年五月一四日本件土地建物について相手方に対し売却許可決定がされ、同年八月一日本件建物につき本件不動産引渡命令が発せられたことが認められる。

右の事実によれば、抗告人主張の賃借権は、すでに売却許可決定前に解除の裁判により消滅しているのであるから、抗告人は、明らかにもとの所有者である東機に対し占有権原を有せず、権原なくして本件建物を占有していた者というべきであり、このような不動産の占有者は、民事執行法第八三条の適用に関しては、事件の記録上差押えの効力発生前から権原により占有している者でないと認められる不動産の占有者に準じて取り扱い、引渡命令の相手方となると解するのが相当である。

(小堀勇 吉野衛 時岡泰)

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