大判例

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東京高等裁判所 昭和59年(ラ)585号 決定

抗告人は、本件債権差押命令における被差押債権は抗告人が運営している保育所である「みぎわ保育園」(以下「本件保育所」という。)の維持のために支給される措置費請求権であり、その差押により本件保育所の存続は不可能となり、入所している七三名の児童に重大な影響を与えるから、原決定は違法である旨主張する。

本件記録によれば、相手方は、昭和五九年一一月一二日東京地方裁判所八王子支部に対し、抗告人に対する同裁判所昭和五九年(ヨ)第二八八号地位保全等仮処分決定の執行力ある正本に基づき債権差押命令の申請をし、同裁判所は、昭和五九年一一月一二日本件債権差押命令(原決定)を発し、同命令正本は同年一一月一三日第三債務者である立川市に、同年一一月一六日債務者である抗告人にそれぞれ送達されたこと、本件差押命令における被差押債権は、第三債務者である立川市が毎月下旬抗告人に対し本件保育所運営のために交付する保育所措置費(法人本部会計・施設会計)請求権のうち一二四万九九二一円(以下「本件措置費請求権」という。)であることが認められる。

ところで、児童福祉法は、保育所を含む児童福祉施設について厚生大臣がその設備及び運営等の最低基準を定めるべきものとし(七条、四五条)、市町村長が児童を保育所に入所させて保育する措置をとった場合に、児童の入所に要する費用及び入所後の保護につき、右最低基準を維持するために要する費用は市町村の支弁とするとしているところ(五一条一号、二四条)、同法五七条の二第二項が差押を禁止しているのは、同法二〇条等による育成医療に要する費用、補装具及びこれに代わる金銭給付等であり、施設に対し措置費として支弁された費用及び施設の措置費請求権は右差押禁止に含まれないものと解するのが相当である。そして、他に右措置費として支弁された費用及び施設の措置費請求権を差押禁止物とする規定は見当らない。

(川添 佐藤 石井)

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