東京高等裁判所 昭和61年(ネ)247号 判決
3 ところで、被控訴人は、本件賃貸借は本件建物内に組み込まれた立体駐車場設備一式の賃貸借であって本件建物部分は付随的に利用されるに過ぎないから本件賃貸借は建物の賃貸借ではないと主張するが、本件賃貸借契約書には賃貸借物件の表示として本件建物部分が明示されていること、本件建物部分のうちハイ・ガレージ部分は立体駐車場用の建物であり、自動車及び立体駐車場設備機械を格納し、これらを風雨、熱射、塵などから保護するものであって、それ自体有用なものであり、また、車路部分はハイ・ガレージ部分に自動車が出入りするために必要不可欠な施設であり、駐車場管理室も本件立体駐車場の営業管理上必要な施設であり、これらを賃借しなければ本件立体駐車場の営業は成り立たないこと、本件建物部分は独立した建物であり、その中に立体駐車場設備機械が存在しなくとも、立体駐車場用建物として賃貸借の対象となり得るものであることなどにかんがみると、被控訴人の右主張は採用することができない。
以上により、本件賃貸借は建物及び立体駐車場設備機械の賃貸借であって借家法の適用のある賃貸借であるというべきであるから、本件賃貸借が期間満了により当然に終了したとの被控訴人の主張は直ちに採用することができない。
(森 高橋 清水)