大判例

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東京高等裁判所 昭和61年(ネ)266号 判決

一 控訴人の本訴請求に対する当裁判所の判断は、原判決一二枚目裏二行目ないし一三枚目表二行目までを後記のとおり訂正するほか、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。

控訴人は、控訴人が本件実用新案権の侵害行為の対象として主張した被控訴人製品は、前訴においては、本件考案の技術的範囲に属するものといえない「複写機(それ自体)」であるのに対し、本訴においては、本件考案の技術的範囲に属するものといえる「カツター装置付きの複写用ロール紙支持機構(それ自体)」であつて、両者は訴訟上二者択一的な別個のものであり、本訴は前訴の判決の既判力の範囲に含まれない旨主張する。

しかしながら、前掲乙第一ないし第三号証によれば、控訴人は、前訴において、本訴における請求の原因と同一の理由すなわち、被控訴人が製造販売するイ号製品及びロ号製品ならびにハ号製品は、いずれも本件考案の技術的範囲に属するカツター装置付きの複写用ロール紙の支持機構を装備していることを理由としてこれらの製品を製造・販売する行為が控訴人の本件実用新案権を侵害するものであることを主張して、右侵害行為によつて控訴人が蒙つた損害の賠償を請求したものであり、前訴についての確定判決は、本件考案とこれらの製品が装備しているカツター装置付き複写用ロール紙(転写紙)ないしロール感光紙の支持機構部分とを対比して、これらの製品の各支持機構は、いずれも、本件考案の構成要件を充足しないので、これらの製品は本件考案の技術的範囲に属するものとはいえないとして、控訴人の請求を棄却したことが認められるから、本訴の請求は、前訴の請求と同一であり、前訴の判決の既判力の範囲に含まれることが明らかであつて、控訴人の前記主張は理由がない(なお、控訴人は、前訴の請求は、控訴人の錯誤による瑕疵ある意思表示によつてなされた旨主張するが、右認定事実によれば、控訴人は、前訴において、誤つて、被控訴人の製造・販売する製品全体から、カツター装置付きの複写用ロール紙支持機構を除く残余の部分を本件実用新案権の侵害行為の対象として主張したものでないことは明らかであるから、前訴の請求が控訴人の瑕疵ある意思表示によつてなされたものとは到底認められない。)。

二 よつて、控訴人の本訴請求を棄却した原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとする。

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