大判例

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東京高等裁判所 昭和61年(ネ)2863号 判決

そこで、本件についてみるに、公選法一五条七項は「各選挙区において選挙すべき地方公共団体の議会の議員の数は、人口に比例して、条例で定めなければならない。ただし、特別の事情があるときは、おおむね人口を基準とし、地域間の均衡を考慮して定めることができる。」と規定しており、地方公共団体の議会は、定数配分規定を定めるに当たり、同項ただし書の規定を適用し、人口比例により算出される数に地域間の均衡を考慮した修正を加えて選挙区別の定数を決定する裁量権を有することが明らかである。そして、いかなる事情の存するときに右の修正を加えるべきか、また、どの程度の修正を加えるべきかについて客観的基準が存するものでもないので、定数配分規定が公選法一五条七項の規定に適合するかどうかについては、地方公共団体の議会の具体的に定めるところがその裁量権の合理的な行使として是認されるかどうかによって決するほかはない。また、制定又は改正の当時適法であった定数配分規定の下における選挙区間の議員一人当たりの人口の格差が、その後の人口の変動によって拡大し、公選法一五条七項の選挙権の平等の要求に反する程度に至った場合には、そのことによって直ちに当該定数配分規定の同項違反までもたらすものと解すべきではなく、人口の変動の状態をも考慮して合理的期間内における是正が同項の規定上要求されているにもかかわらずそれが行われないときに、初めて当該定数配分規定が同項の規定に違反することになる、と解すべきである。

そうすると、定数配分規定が憲法一四条あるいは公選法一五条七項に違反しているか否かは必ずしも一義的に明らかであるということはできず、したがって、定数配分規定の制定につき国家賠償法を適用する余地はないというべきである。

(森 高橋 清水)

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