東京高等裁判所 昭和61年(行ケ)31号 判決
一 請求の原因一ないし三の事実は当事者間に争いがない。
二 右当事者間に争いのない審決の理由の要点1ないし4に示された本願発明の要旨、引用例の記載内容、本願発明と引用例の方法との相違点についての各認定、相違点(1)(2)についての検討の結果は原告の争わないところであり、これに従う限り、本願発明と引用例の方法とは、原告が請求の原因四において述べる理由により、実質的に同一の発明と判断されなければならないことは明らかというべきである。
したがつて、審決が前示各認定と相違点(1)(2)についての検討結果を前提としながら、本願発明と引用例の方法とを同一の発明と認めず、これを別発明として特許法二九条二項を適用したことは誤りといわなければならない。
そして、本願が引用例の頒布後六月以内に出願されたこと、原告(出願人、審判請求人)が審判手続において引用例は原告の意に反して発表されたものであることを理由に同法三〇条二項が適用されるべき旨主張したことは当事者間に争いがない事実であるから、審決の前示誤りが審決の結論に影響を及ぼすことは明らかであり、審決は違法として取り消しを免れない。
三 よつて、原告の本訴請求は理由があるからこれを認容する。