東京高等裁判所 昭和61年(行コ)61号 判決 1986年12月24日
控訴人(原告) 西房美
被控訴人(被告) 増山道保
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
第一当事者の求めた裁判
一 控訴の趣旨
1 原判決を取消す。
2 被控訴人は宇都宮市に対し、金六六〇万九一五七円及びこれに対する昭和六〇年三月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 控訴の趣旨に対する答弁
控訴棄却
第二当事者の主張及び証拠
原判決事実摘示のとおりである。
ただし、次のとおり付加訂正する。
1 原判決二枚目表一〇行目から同裏一〇行目までを削る。
2 同二枚目裏末行の「(二)」を削る。
3 同四枚目表二行目「本件」から同七行目「また、」までを削る。
4 同五枚目表三行目「基づき」の次に、「訴外宇都宮市に代位して」を加える。
5 同五枚目一〇行目「3の項のうち、」から同裏三行目までを「3の項の主張は争う」と改める。
6 同六枚目裏末行から同七枚目裏一行目までを削る。
7 同六枚目表一行目から七枚目裏二行目「2」までを削る。
理由
一 当裁判所は控訴人の本訴請求は棄却すべきものと判断する。
その理由は原判決の理由と同一であるからこれを引用する。ただし、次のとおり付加訂正する。
1 原判決八枚目裏末行から同九枚目表一行目までを「二、まず本件選挙と本件支出の相互の関係について検討する。」と改める。
2 同一〇枚目裏一行目から同一二枚目表一行目までを削る。
3 同一二枚目裏二行目の次に、次を加える。
「また、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律中には、地方自治体が国会議員の選挙に要した経費の全額を当然に国が地方自治体に弁償すべき旨の規定は存在せず、同法一八条一項によれば、国は都道府県に対し、同法所定の規定によつて算出した基準額のみを交付することとし、同条二項において、特別の場合に限つて一定額の追加額の交付の可能性を認めているに過ぎない。右法律中には、地方公共団体が国会議員の選挙に対し公金を支出することを禁止する規定は存在せず、むしろ、右条項の趣旨からすると、基準額以上の公金支出の場合のありうることを前提として、その場合であつても基準額(又は場合によつて追加額を含む)までは補償するが、それ以上は補償しないと定めているものと解することができる。」
二 以上の理由により、原判決は相当であるから、民訴法三八四条により本件控訴を棄却する。
訴訟費用の負担につき、行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九五条八九条適用
(裁判官 武藤春光 菅本宣太郎 秋山賢三)