大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和62年(行コ)39号 判決 1988年1月26日

控訴人(原告) 城戸典子 外一名

補助参加人 宮崎省三

被控訴人(被告) 岸中士良

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

一  控訴人ら

1  原判決を取り消す。

2  被控訴人は、立川市に対し、三五〇〇万円及びこれに対する昭和五三年九月一六日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

3  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

二  被控訴人

主文要旨

第二当事者の主張及び証拠

当事者双方の主張及び証拠関係については、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所も、被控訴人らの本訴請求は失当であつて棄却すべきものと判断する。その理由については、次のとおり付加、訂正するほか、原判決の理由説示のとおりであるからこれを引用する。

1  原判決一五枚目裏四、五行目の「実体法上の」を削り、同一〇、一一行目の「当該地方公共団体の固有財産に生じた損害」を「当該地方公共団体自体に生じた損害」に改める。

2  同一六枚目表五行目の「乙第一四、一五号証」を「乙第一四号証の一、二、第一五号証」と訂正する。

3  同一九枚目裏八行目の「このような金員」から同二〇枚目表一行目までを「このような工事費を支出して道路建設工事をしたとしても、それによつて立川市自体が何らかの財産的損害を受けるというものではないといわなければならない。」に改める。

4  同二一枚目裏九、一〇行目の「当該地方公共団体固有の実体法上の財産的損害」を「当該地方公共団体自体の財産的損害」に改める。

5  同二二枚目裏八行目の「実体法上の」から末行までを「財産的損害が生じていない以上、損害の補填を求める住民訴訟の提起が認められないのは当然の事理であつて、控訴人らの右主張は、立法論としてはともかく、現行法の解釈としては採用することができない。」に改め、同二三枚目裏六、七行目の「実体法上の」を削る。

二  以上によれば、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担について行政事件訴訟法七条、民訴法九五条、八九条、九三条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 村岡二郎 鈴木敏之 滝澤孝臣)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例