大判例

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東京高等裁判所 昭和63年(う)706号 判決

論旨は要するに,…中略…火炎びん使用の点につき,本件装置のような,ガソリン約6リットルという相当の容積,重量があり,かつ複雑な電気回路が付属しているなど,投擲して使用するに適しないものは,火炎びんの使用等の処罰に関する法律にいう火炎びんにあたらない,…中略…と主張するものである。

しかし原判決が,…中略…本件装置が火炎びんにあたるとし…中略…た判断は,…正当として支持することができる。なお…一言すれば,火炎びんの使用等の処罰に関する法律の立法当時想定されていた典型的な火炎びんは,比較的小型でかつ軽量で,1人で容易に持ち運ぶことができ,投擲して使用されるもので,容器に破砕性のあるものであったとしても,同法における火炎びんの定義は,その形状に関しては「ガラスびんその他の容器」というのみで,容積重量,破砕性や投擲性の有無に関し格別の限定をしていないのであり,本件装置のような,容積約6リットル程度のポリタンクは,投擲性がなくとも,いまだ右「ガラスびんその他」という例示の範囲を逸脱するものとはいえないし,また本件装置は,砲の時限発射装置と一体をなした着火装置を介して砲とも接続されているため,そのままの状態では1人で運搬することはできないものであるけれども,砲との接続を解除したポリタンクと着火装置だけを独立して使用することもでき,その場合は1人で運搬することが十分可能であると認められ,また法益侵害の危険性ないし違法性の程度は前記典型的なものに劣らないともいえるのであるから,これを同法の火炎びんにあたるとするを妨げないというべきである。

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