大判例

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東京高等裁判所 昭和63年(ネ)12号 判決

次に、控訴人は、新たに建設された公営住宅への入居を希望しているから、被控訴人は、法二三条の八第一項の規定に基づき控訴人を右公営住宅に入居させるべきであると主張し、これを理由に本件建物の明渡しを拒んでいる。しかしながら、右規定は、事業主体が公営住宅建替事業により除却すべき公営住宅の除却前の最終の入居者のうち、当該事業の施行に伴い当該公営住宅の明渡しをするものに限って、その者が当該事業により新たに建設される公営住宅への入居を希望する旨を申し出たときは、その者を当該公営住宅に入居させなければならない旨を規定しているが、右規定に定める適格をもつ入居者に該当するということが、除却すべき公営住宅の入居者に対する当該公営住宅の明渡しを請求する訴訟において、明渡しを拒むことを正当化する事由となるものとは解し難い(なお、右規定にいう「当該事業の施行に伴い当該公営住宅の明渡しをするもの」とは、あらかじめ定められた公営住宅建替事業の事務手続に則り、右事業に協力して除却すべき公営住宅の明渡しをしたものを指すと解すべきであり、控訴人のように、適法に提供された本件仮住居への移転を拒み、本件建物での居座りを続け、その使用許可の取消しを受けたものについては、右規定の適用はないものといわなければならない。)。

(北川 前島 笹村)

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