大判例

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東京高等裁判所 昭和33(ラ)320 高裁判例

主 文

原決定を取り消す。

本件を甲府地方裁判所に差し戻す。

理 由

抗告理由は、末尾に記載のとおりである。

記録によれば、昭和三一年四月二六日午前九時の本件第一回の競売期日の公告が

甲府市役所の掲示場に掲示されたのは、同年四月一二日(記録三九丁の甲府市長作

成の公告掲示済通知書に「昭和三〇年四月一二日」とあるのは、「昭和三一年四月

一二日の誤記と認める)であつたことが明らかであるから、右公告と期日との間に

は法定の十四日の期間を存せず、したがつて右期日における競売手続はこれを無効

と認めるべきである。

しかるに、記録によれば、右第一回の期日には競買申出がなかつたため、裁判所

は新競売期日を定め、右期日にも競買申出がなかつたため、更に新期日を定め、こ

のようにして新期日を定めること数度に及んだ後、昭和三三年五月三〇日午前九時

の期日にAが最高価額による競買の申出をしたので、裁判所は同年六月四日同人に

対し競落許可決定(原決定)を言い渡したが、右第二回以後の各期日においては、

鑑定人の評価額による第一回期日の最低競売価額を順次低減した価額をもつて、そ

れぞれその最低競売価額と定めたことが明ら<要旨>かである。しかしながら、第一

回期日における競売手続が無効である以上、その後の最初の競売期日において</要

旨>は、最低競売価額を低減せず、さきの鑑定人の評価額をもつて最低競売価額と定

めるべきであつたにかかわらず、前記の如くこれを低減し、その後も順次低減して

最後の競売期日に至つたのであるから、右最後の期日における競売手続は違法であ

り、これに基く競落を許可した原決定もまた違法なるを免れない。それゆえ、第三

二〇号抗告理由第一点は理由があるから、他の抗告理由に対する判断を省略し、主

文のとおり決定する。

(裁判長判事 奥田嘉治 判事 牧野威夫 判事 青山義武)

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