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松山地方裁判所 平成9年(わ)373号 1998年3月04日

本店の所在地

松山市溝辺町甲一四五番地

法人の名称

株式会社大石企画

代表者の住居

同市溝辺町甲一四五番地

代表者の氏名

大石隆

本籍

松山市上市一丁目五〇番地

住居

同市溝辺町甲一四五番地

会社役員

大石隆

昭和一五年一〇月七日生

右の両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官水本和彦、弁護人田中重正出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社大石企画を罰金二〇〇〇万円に処する。

被告人大石隆を懲役一年に処する。

被告人大石隆については、この裁判が確定した日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社大石企画(以下「被告会社」という。)は、松山市溝辺町甲一四五番地に本店を置き、土木・建築請負業等を営むもの、被告人大石隆は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人大石は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の外注費、労務費等を計上するなどして所得を秘匿した上

第一  平成五年二月一日から同六年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が七四一三万五六七七円で、これに対する法人税額が二七〇一万三一〇〇円であったにもかかわらず、同年三月三〇日、松山市本町一丁目三番四号所在の松山税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四二八万五二〇〇円で、これに対する法人税額が一一七万二三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、偽り、その他不正の行為により被告会社の右事業年度における法人税二五八四万〇八〇〇円を免れた

第二  平成六年二月一日から同七年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が八六二〇万八三五二円で、これに対する法人税額が三一五〇万八八〇〇円であったにもかかわらず、同年三月三一日、前記松山税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四八八万三七二二円で、これに対する法人税額が一三〇万八〇〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、偽り、その他不正の行為により被告会社の右事業年度における法人税三〇二〇万〇八〇〇円を免れた

第三  平成七年二月一日から同八年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六四二九万六三〇七円で、これに対する法人税額が二三二六万九二〇〇円であったにもかかわらず、同年四月二日、松山市若草町四番地三所在の松山税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が三一〇万四四七三円で、これに対する法人税額が七八万七三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、偽り、その他不正の行為により被告会社の右事業年度における法人税二二四八万一九〇〇円を免れた

ものである。

(判示各事実についての修正損益計算書は末尾添付の別紙記載のとおりである。)

(証拠の標目)(括弧内の番号は検察官請求証拠番号である。)

判示全事実について

一  被告人(被告会社代表者)大石隆の当公判廷における供述

一  被告人(被告会社代表者)大石隆の検察官に対する供述調書(乙一)

一  大蔵事務官作成の「賃金(工事原価)調査書」(甲六)、「賞与(工事原価)調査書」(甲七)、「福利厚生費(工事原価)調査書」(甲八)、「外注費(工事原価)調査書」(甲九)、「減価償却費(工事原価)調査書」(甲一〇)、「旅費交通費(工事原価)調査書」(甲一一)、「支払手数料調査書」(甲一二)、「交際費調査書」(甲一三)、「租税公課調査書」(甲一四)、「雑費調査書」(甲一五)、「受取利息調査書」(甲一六)、「雑収入調査書」(甲一七)、「損金算入利子割額調査書」(甲一八)、「交際費の損金不算入額調査書」(甲一九)、「事業税調査書」(甲二〇)と各題する書面

一  検察事務官作成の電話聴取書・謄本(甲二)

一  登記官作成の登記簿謄本(甲一)

判示第一の事実について

一  検察事務官作成の捜査報告書(甲三)

判示第二の事実について

一  検察事務官作成の捜査報告書(甲四)

判示第三の事実について

一  検察事務官作成の捜査報告書(甲五)

(法令の適用)

被告会社の判示各所為は法人税法一六四条一項、一五九条に、被告人大石の判示各所為は同法一五九条に該当するところ、いずれの罪についても、被告会社については情状により同法一五九条二項を適用して免れた法人税の額を罰金の上限とし、被告人大石については所定刑中懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、被告会社については同法四八条二項により合算した罰金額の範囲内で、被告人大石については同法四七条本文、一〇条により犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で、被告会社を罰金二〇〇〇万円に、被告人大石を懲役一年に各処し、情状により被告人大石の懲役刑については同法二五条一項を適用してこの裁判が確定した日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑 被告会社 罰金二五〇〇万円

被告人大石 懲役一年)

(裁判官 釜元修)

修正損益計算書

(平成6年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

修正損益計算書

(平成6年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

修正損益計算書

(平成7年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

修正損益計算書

(平成7年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

修正損益計算書

(平成8年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

修正損益計算書

(平成8年1月期)

株式会社大石企画

<省略>

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