松山地方裁判所 昭和39年(行ク)1号 決定 1965年3月29日
申立人 愛媛県地方労働委員会
被申立人 丸住製紙株式会社
主文
被申立人は、被申立人を原告、申立人を被告とする当庁昭和三九年(行ウ)第六号不当労働行為申立事件の命令取消請求事件の判決確定に至るまで、申立人が昭和三九年五月四日愛媛県地方労働委員会昭和三八年(不)第四号不当労働行為申立事件につき被申立人に対してなした命令のうち、岡田史紀及び高橋保をそれぞれ原職に復帰させる限度において右命令に従わなければならない。
(裁判官 谷本益繁 永松昭次郎 平田勝美)
〔参考資料(一)〕 緊急命令申立書
申立の趣旨
上記当事者間の御庁昭和三九年(行ウ)第六号行政処分取消請求事件の判決が確定するまで「岡田史紀、高橋保を原職に復帰させ、解雇日以降同人らが受けるはずであつた諸給与相当額を支払わなければならない。」との決定を求める。
申立の理由
一、申立人愛媛県地方労働委員会は、昭和三九年五月二三日、愛媛県川之江市川之江町井地に本社をおく被申立人丸住製紙株式会社に対し「被申立人会社は昭和三八年三月九日付で岡田史紀、高橋保に対してなした解雇処分を取消し、原職に復帰さすとともに解雇日以降同人らが受けるはずであつた一時金、昇給を含む諸給与相当額を支払わなければならない。」との救済命令を発した。
二、被申立人丸住製紙株式会社は昭和三九年六月二〇日右救済命令の取消しを求める行政訴訟を提起し、御庁昭和三九年(行ウ)第六号事件として審理中である。
三、もしこの訴訟の解決するまで、申立人委員会の発した右命令の内容が実現されないならば救済を受けた労働者およびその家族の生活は甚しく窮乏し、回復することが出来ない損害を受けることは明らかであり、ひいては労働組合法の立法精神を没却されることになるので、申立人委員会は昭和三九年九月四日開催の第四四七回公益委員会議において労働組合法第二七条第八項の規定に基く申立をなすことを決議した。よつて本申立に及んだ次第である。
〔参考資料(二)〕 救済命令の主文
一、被申立人会社は昭和三八年三月九日付で岡田史紀、高橋保に対してなした解雇処分を取り消し、原職に復帰さすとともに、解雇日以降同人らが受けるはずであつた一時金、昇給を含む諸給与相当額を支払わなければならない。
二、申立人のその余の申立を棄却する。