松山地方裁判所 昭和55年(わ)200号・昭55年(わ)634号 判決
判決主文
被告人森田政志を懲役一年および罰金一、三〇〇万円に処する。
被告会社株式会社森田住宅を罰金一、二〇〇万円に処する。
被告人森田政志において右罰金を完納することができないときは金五万円を一日に換算した期間同被告人を労役場に留置する。
被告人森田政志に対しこの裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
(罪となるべき事実の要旨)
A、被告人森田政志は、愛媛県北條市八反地甲一、六四二番地に本店を置く株式会社森田住宅の代表取締役であるとともに同所において森田製材所の名称で製材業を営んでいるものであるが、自己の所得税を免れる目的をもって、売上金額の一部を除外し、あるいは架空の仕入を計上して簿外預金を設定するなど製材業に係る所得の一部を秘匿し、更に事業所得の帰属者が自己であることを秘匿した上
第一 昭和五一年分の実際の総所得金額は五八、六九三、九六〇円であり、これに対する所得税額は二五、五四九、九〇〇円であるのに、同五二年三月一五日、愛媛県松山市本町一丁目三番四号所在の所轄松山税務署において、同税務署長に対し、被告人名義で総所得金額は一五、四〇〇、三八〇円であり、これに対する所得税額は二一六、八五二円の還付を受ける旨の、更に被告人の父森田玄之介名義で総所得金額は二六、四三七、七四七円であり、これに対する所得税額は一〇、四七九、九〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって右正規の所得税額と申告税額との差額一五、二八六、八〇〇円を免れ
第二 昭和五二年分の実際の総所得金額は八一、五七四、五一二円であり、これに対する所得税額は四一、七五三、〇〇〇円であるのに、同五三年三月一五日、前記松山税務署において、同税務署長に対し、被告人名義で総所得金額は一四、三一八、四〇〇円であり、これに対する所得税額は二九〇、九六三円の還付を受ける旨の、更に前記森田玄之介名義で総所得金額は二九、七八九、二〇九円であり、これに対する所得税額は一二、一七一、九〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって右正規の所得税額と申告税額との差額二九、八七二、〇〇〇円を免れ
第三 昭和五三年分の実際の総所得金額は八八、七二〇、二〇七円であり、これに対する所得税額は四八、九二八、八〇〇円であるのに、同五四年三月一五日、前記松山税務署において、同税務署長に対し、被告人名義で総所得金額は一一、二五八、四〇〇円であり、これに対する所得税額は三〇七、四〇〇円である旨の、更に森田玄之介名義で総所得金額は三二、九五八、七〇一円であり、これに対する所得税額が一三、五六八、六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって右正規の所得税額と申告税額との差額三五、〇五二、八〇〇円を免れ
たものである。
B、被告会社株式会社森田住宅は、愛媛県北條市八反地甲一、六四二番地一に本店を置き、不動産の売買、建売住宅の建設及び売買等を営むもの、被告人森田政志は、右被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括掌理しているものであるが、被告人森田政志は、右被告会社の経理面を掌理している同会社従業員鈴村憲一と共謀の上、被告会社の業務に関し、法人税を免れる目的をもって、架空「外注費」を計上し、あるいは期末たな卸金額を圧縮するなどの不正の方法により、その所得を秘匿した上
第一 昭和五一年七月一日から同五二年六月三〇日までの事業年度における実際の所得金額は一一七、一六七、一九九円であり、これに対する法人税額は五七、七四〇、七〇〇円であるのに、同年八月三一日、同県松山市本町一丁目三番四号所在の松山税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額は六〇、〇〇〇、八七二円であり、これに対する法人税額は二〇、一六八、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって右正規の法人税額と右申告税額の差額三七、五七二、二〇〇円をほ脱し
第二 同五二年七月一日から同五三年六月三〇日までの事業年度における実際の所得金額は七三、三六八、四二四円であり、これに対する法人税額は三九、二四三、〇〇〇円であるのに、同年八月三一日、前記松山税務署において、同税務署長に対し、右事業年度における所得金額は四一、六四三、五〇五円であり、これに対する法人税額は四、三三八、四〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって右正規の法人税額と右申告税額との差額三四、九〇四、六〇〇円をほ脱し
たものである。
適用した法令
所得税法二三八条一項(懲役刑と罰金刑を併科)、二項、法人税法一五九条一項(被告人につき懲役刑選択、被告会社についてはさらに同法一六四条一項、一五九条二項)、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条一項、二項、一八条、二五条一項
(求刑被告人森田政志に対し懲役一年六月および罰金二、〇〇〇万円、被告会社に対し罰金一、五〇〇万円)
(裁判官 藤田清臣)