大判例

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楯岡簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人三浦久を罰金壱万六千円に、被告人奥山弘、同岩月助三、同伊藤礼太郎を各罰金壱万参千円に、被告人奥山高三、同長瀬庄八、同安達茂雄を各罰金五千円に、被告人羽柴末吉を罰金参千円に、同加藤惣治を罰金弐千五百円に処する。

右各罰金を完納することができないときは各金二百円(二百円に満たない端数は一日とする)を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。押収した封筒入千円紙幣一枚(証第一号)を被告人長瀬庄八から没収する。被告人伊藤礼太郎から金参千円、同岩月助三、同三浦久から各金弐千円、同羽柴末吉、同奥山弘、同奥山高三、同安達茂雄から各金千円、同加藤惣治から金五百円を各追徴する。

各被告人に対し公職選挙法第二百五十二条第一項所定の選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しない。

訴訟費用中証人瀬川繁太郎に支給した分は各被告人の平分負担とし、同松沢清、森谷庄助、鈴木庄右エ門に支給した分は被告人奥山弘、証人三浦竹蔵、名垣繁治に支給した分は被告人三浦久の各負担とする。

理由

被告人等はいずれも昭和二十七年十月一日施行の衆議員議員選挙に際し選挙人で且又被告人奥山弘、岩月助三、三浦久は各右選挙につき山形県第二区から立候補した池田正之輔の選挙運動をしたものであるが、いずれも右候補者を当選させる目的で

第一、被告人奥山弘は

(一)  昭和二十七年九月十二日頃、北村山郡楯岡町大字楯岡伊豆倉精治方で同人から前記池田候補者のため投票取まとめ方依頼を受けその報酬として金千円の供与を受け

(二)(イ)  同年同月二十二日頃、同郡長〓村大字長〓松沢清方で選挙人である同人に対し

(ロ) 同年同月二十日頃、同郡神崎村大字土生田森谷庄助方で選挙人である同人に対し

(ハ)  同年同月二十八日頃、同郡大倉村大字〓山鈴木庄右エ門方で選挙人である同人に対し

いずれも右池田候補者に投票及び投票取まとめ方を依頼し、その報酬として各金千円を供与し

第二、被告人岩月助三は

(一)  同年同月十二日頃前記伊豆倉精治方で同人から同候補者のため投票及び投票取まとめ方依頼を受けその報酬として金二千円の供与を受け

(二)  瀬川繁太郎と共謀して

(イ)  同年同月二十一日頃、同郡小田島村大字蟹沢原谷栄蔵方で選挙人である同人に対し

(ロ)  同日頃同郡大富村大字羽入植松甚十郎方で選挙人である同人に対し

いずれも第一の(二)と同趣旨の依頼をしてその報酬として各金千円を供与し

第三、被告人三浦久は

(一)  同年同月二十二日頃、前記伊豆倉精治方で、同人から前記池田候補者のため選挙運動方を依頼されその報酬として金四千円の供与を受け

(二)  同年同月二十三日頃同郡亀井田村大字鷹巣三浦竹蔵方で選挙人である同人に対し同候補者のため選挙運動を依頼しその報酬として金千円を供与し

(三)  同日同所で右候補者の選挙運動者である三浦竹蔵に対し選挙人である名垣繁治に前項と同趣旨で供与するよう依頼し金千円を交付し

第四、(一)被告人加藤惣治は同年同月十六日頃同郡大富村大字荷口羽柴末吉方で金五百円を

(二) 被告人羽柴末吉は同日頃、同所で妻みつゑを介し金千円を

(三) 被告人長瀬庄八は同日頃、同郡同村大字羽入の自宅で金千円(証第一号)を

(四) 被告人奥山高三は同月十八日頃同郡東郷村大字泉郷の自宅で金千円を

(五) 被告人安達茂雄は同日頃、同所大字泉郷の自宅で金千円をいずれも伊豆倉精治から前記池田候補者のため投票取まとめ方の依頼を受けその報酬としてそれぞれ供与を受け

(六) 被告人伊藤礼太郎は同日頃同郡山口村大字山口の自宅で伊豆倉精治から同候補者のため選挙運動方依頼を受けその報酬として金三千円の供与を受けたものである。

(証拠証明は省略する。)

法律に照すと被告人等の判示所為中金銭供与の点は公職選挙法第二百二十一条第一項第一号に、金銭供与を受けた点は同法条第一項第四号に、金銭を交付した点は同法条第一項第五号に共謀の点は更に刑法第六十条に該るので各所定刑中罰金刑を選択し、

判示第一、第二、第三の所為は各同法第四十五条前段の併合罪であるから同法第四十八条第二項により各罪につき定めた罰金の合算額により、同第四の所為については各所定の罰金額によりそれぞれ主文の刑を量定し、罰金不完納の場合における労役場留置につき同法第十八条、没収及び追徴につき公職選挙法第二百二十四条、選挙権及び被選挙権を有しない旨の規定を適用しないことにつき同法第二百五十二条第三項、訴訟費用の負担につき刑事訴訟法第百八十一条を各適用して主文のように判決する、(昭和二八年六月一日楯岡簡易裁判所)

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