横浜地方裁判所 平成3年(わ)1078号 判決
主文
被告人有限会社ナベ・エンタープライズを罰金二〇〇〇万円に、同渡辺信を懲役六月に処す。
事実
第一 被告人有限会社ナベ・エンタープライズ(昭和五八年九月一六日設立、平成二年六月二八日解散、現在精算中、以下「被告会社」という。)は、横浜市中区竹之丸一六七番地の三(平成元年八月一日以降は同区不老町一丁目四番一二号)に本店を置き、室内ゲーム機の設置及び運営等を業としていた会社、被告人渡辺信は、被告会社の実質的な経営者としてその業務全般を統括していたものであるが、被告人渡辺は、被告会社の法人税を免れようと企て、同会社の業務に関し、その売上の一部を除外するなどの方法により所得を秘匿した上
一 昭和六二年五月一日から同六三年四月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は二、七六五万六、四〇五円で、これに対する法人税額は一、〇六五万五、五〇〇円であったにもかかわらず、同六三年六月二九日、横浜市中区山下町三七番地九号所在の所轄横浜中税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の欠損金額が九五万七六五円で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における右法人税全額一、〇六五万五、五〇〇円を免れ
二 昭和六三年五月一日から平成元年四月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は七、七〇五万九、二五九円で、これに対する法人税額は三、一四〇万四、七〇〇円であったにもかかわらず、平成元年六月二二日、前記横浜中税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の欠損金額が一四二万五、〇六二円で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における右法人税額三、一四〇万四、七〇〇円を免れ
三 平成元年五月一日から同二年四月三〇日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は九、九七〇万一、六四二円で、これに対する法人税額は三、九〇〇万四〇〇円であったにもかかわらず、同二年六月二九日、前記横浜中税務署において、同税務署長に対し、同事業年度欠損金額が七六三万七、九〇一円で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における右法人税金額三、九〇〇万四〇〇円を免れ
第二 被告人渡辺信は、自己の所得税を免れようと企て、義弟黄善勇らが経営する店舗の利益金の分配を受けていたのに、これを自己の収入から除外する方法で所得を秘匿した上、平成元年分の総所得金額は二、九六三万八、五二〇円で、これに対する所得税額は九五四万七、九〇〇円であったにもかかわらず、同二年三月一二日、所轄の前記横浜中税務署において、同税務署長に対し、同元年の総所得が四七五万五、〇〇〇円で、これに対する所得税額と源泉徴収税額の差である三九万七、二五〇円を還付されたい旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、右所得税額九五四万七、九〇〇円と右還付を受けた三九万七、二五〇円の合計である九九四万五、一〇〇円の所得税を免れ
たものである。
確定裁判
平成元年二月五日宣告、横浜地方裁判所、常習賭博罪、懲役一年六月、平成三年五月二三日確定
適条
(被告会社につき)
法人税法一五九条、一六四条一項
刑法四八条二項
(被告人渡辺につき)
法人税法一五九条
所得税法二三八条
刑法四五条、四七条本文、一〇条、五〇条
(裁判官 人見泰碩)