大判例

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横浜地方裁判所 昭和24年(行)23号 判決

原告 大鷹弘

被告 国

一、主  文

原告の請求を棄却する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

二、事  実

当事者の申立及び主張は昭和二十五年五月十三日準備手続調書中請求の趣旨、原因及び答弁として記載されたものと同一であるからこれを引用する。(証拠省略)

三、理  由

証人力石直吉の証言によれば、吉浜町農地委員会長であつた同人が原告に対し、農地を開放したらどうかと勧告し、その際原告から開放するとしたら、竹下定吉に売つて貰いたいとの希望があつたので、それではその様に手続したらよかろうといつた事実及び同会長が竹下定吉に対し買受の申請手続をすることを勧めた事実を認めることはできるが、それ以上、同会長が「竹下定吉に売渡す」と言明した事実や、同会長もしくは、同会書記が原告を欺き又は脅迫した事実については、これを認めるに足る証拠がない。

又、原告が、竹下定吉に売渡されるものと信じて本件買収申込をなしたとしても、私人の行政庁に対する行為は、定型の形式的行為であつて、特に法律が条件等を附しうることを認めた場合は格別、そうでない場合には、私人の単なる主観的動機は、たとえ表示せられても、行政庁に対する行為の要素とはなりえない。

自作農創設特別措置法第三条第五項第七号の買収申込に、条件を附することは法律の認めていないところであり、買受人を誰にするかは、原告の希望に拘束されず、農地委員会が法律の範囲内で自由に決定しうるものであるから、この点に錯誤ありとしても、その買収申込にもとずく本件買収行為を無効ならしめるものではない。

原告の請求は棄却を免れない。よつて訴訟費用は敗訴の原告の負担とし、主文の通り判決する。

(裁判官 山本信政 地京武人 瀬戸正二)

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