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横浜地方裁判所 昭和41年(ワ)1339号 判決 1967年9月23日

主文

被告安室カメ、同新次、同武男、同三郎、同正男、同ふさ子は原告に対し別紙第二物件目録記載の建物を収去し同第一物件目録記載の土地を明け渡せ。

被告安室武男は原告に対し別紙第三物件目録記載の建物を収去してその敷地部分二四・七九平方米を明け渡せ。

被告常盤操は原告に対し別紙第二物件目録記載の建物のうち別紙図面表示部分二二・三一平方米から退去し同敷地部分二二・三一平方米を明け渡せ。

訴訟費用は被告らの負担とする。

事実

原告訴訟代理人は主文と同旨の判決ならびに仮執行の宣言を求め、その請求の原因および被告常盤操の抗弁に対する答弁ならびに主張としてつぎのとおり述べ、立証として甲一ないし五号証を提出した。

(請求の原因)

一、原告は別紙第一物件目録記載の土地(以下本件土地という。)を含む横浜市磯子区滝頭一丁目四七六番の一宅地二四五三・七一平方米(七四二坪二合五勺)の所有者である。

二、被告安室カメ、同新次、同武男、同三郎、同正男、同ふさ子は右地上に別紙第二物件目録記載の建物を所有し本件土地を占有している。

三、被告安室武男は右地上に別紙第三物件目録記載の建物を所有し、その敷地部分二四・七九平方米を占有している。

四、被告常盤操は別紙第二物件目録記載の建物のうち別紙図面表示部分二二・三一平方米に居住し右土地のうちその敷地部分二二・三一平方米を占有している。

五、よつて原告は所有権にもとづき被告安室カメ、同新次、同武男、同三郎、同正男、同ふさ子に対し別紙第二物件目録記載の建物を収去し、同第一物件目録記載の土地の明渡を、被告安室武男に対しては別紙第三目録記載の建物を収去してその敷地部分二四・七九平方米の明渡を、被告常盤操に対しては別紙第二物件目録記載の建物のうち別紙図面表示部分二二・三一平方米から退去してその敷地部分二二・三一平方米の明渡を求める。

(被告常盤操の抗弁に対する答弁ならびに主張)

一、被告常盤が安室長太郎からその占有する建物部分を賃借していることは認める。

二、原告は本件土地を安室長太郎に建物所有の目的で賃貸し、右長太郎は右地上に別紙第二物件目録記載の建物を所有していた。ところが、右長太郎は昭和四〇年三月二六日死亡し、相被告安室カメ、新次、武男、三郎、正男、ふさ子はその相続人として右土地賃借権および右建物の所有権を相続により承継したが、右相続人らは右土地の賃借権を波多野知子に無断譲渡または転貸して、右波多野は右地上に別紙第三物件目録記載の建物を建築所有した。

よつて原告は右相続人らに対し右無断転貸を理由に本件訴状により本件土地賃貸借契約を解除する旨の意思表示をした。

よつて被告常盤の建物部分居住によるその敷地部分占有も、原告の土地所有権に対する関係でなんら権原のない占有である。

被告安室武男は、「原告の請求を棄却する。」との判決を求めたが、請求原因事実についてはなんらの答弁もしない。

被告安室三郎は本件延期された第一回口頭弁論期日に出頭したが、その後の期日呼出状の送達を受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面をも提出しない。

被告安室カメ、同新次、同正男、同ふさ子は適式の呼出を受けながら本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面をも提出しない。

被告常盤操は、本件口頭弁論期日に出頭しないが、その陳述したとみなした答弁書には、「原告の請求を棄却する、訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求める。答弁ならびに主張として、「請求原因第四項記載の事実は認めるが、その余の事実は不知。被告常盤は安室長太郎から原告主張の建物部分を賃借しているから明渡しに応じられない。」旨の記載がある。

別紙

第一物件目録

横浜市磯子区滝頭一丁目四七六番ノ一

宅地 二四五三・七一平方米(七四二坪二五)のうち別紙添附図面(一)の斜線の部分の土地八〇・二六平方米(二四坪二八)

第二物件目録

横浜市磯子区滝頭一丁目四七六番地

家屋番号 九九一番

一、木造亜鉛メツキ鋼板葺平家建居宅

床面積 四二・七九平方米(一三坪)

但公簿上二階建居宅床面積

一階 四二・九七五二平方米(一三坪)

二階 九・九一平方米(三坪)

右建物のうち被告常盤占有部分 別紙添付図面(二)赤斜線部分二二・三一平方米(六坪七五)

第三物件目録

横浜市磯子区滝頭一丁目四七六番地

家屋番号 同町九八五番二

一、木造亜鉛メツキ鋼板葺平家建居宅

床面積 九・九一平方米(三坪)

但現況は第二物件目録の二階部分全部

別紙

図面(一)

図面(二)

<省略>

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