大判例

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横浜地方裁判所 昭和44年(ワ)970号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、被告敏が、昭和四三年一二月二〇日午後八時三〇分頃八幡橋方面から杉田方面に向つて被告車を運転して進行中、横浜市磯子区森町二、〇三六番地先路上に差掛つた際に、折柄道路を横断中の粂蔵に対し、被告車前部を接触させてはねとばし、同人に頸椎、胸椎骨折等の傷害を与えて即死させたことは当事者間に争いがない。

二、被告敏の過失について判断する。

1 <証拠>によると次の事実を認めることができる。

(一) 現場道路は、車道幅員が14.4米あり、その両側にガードレールによつて区分された歩道(山側二米、海側2.6米)がある。

(二) 現場路面は、平坦でよく乾燥していた。路面中央の元軌道敷跡(幅員七米)は、アスフアルトで舗装され表面はすべり止めがほどこされている。その他の部分は、コンクリートで舗装されている。現場路面に交通上支障になるようなものは見られない。

(三) 現場道路は、一〇〇米位手前から一直線となり、見とおしは非常に良好である。現場は、本件交通事故発生当時暗かつたけれども、車庫の前照灯を下向きにして、前方六〇米の障害物を明確に認めることができた。

(四) 現場の速度制限は、毎時五〇粁となつており、車両の交通量は多い。

(五) 被告敏は、被告車の左側を同方向つて進行するタクシーがあつたので、本件道路を左方から右方へ横断する者はいないと軽信し、前方のみ注意し、左方に対する注意を欠き、時速約六〇粁で進行したため、左方から右方へ向つて横断中の粂蔵を約23.9米前方に発見し、急ブレーキをかけたが間に合わずこれに衝突した。

三、過失相殺

本件現場道路は、車道幅員が14.4米、その両側の歩道はガードレールによつて区分されているので、当時六一歳の粂蔵がこれを横断するには広い道路であり、しかも車両の交通量の多いところである。

<証拠>によると、粂蔵はこれを、横断歩道でないところを、ガードレールがあるにもかかわらず、右側から進行してくる車両の安全を確認しないで横断していたのであるから、これに過失のあること又明白である。

よつて、被告敏と粂蔵の過失割合を対比すると、七対三と認めるのが相当である。(石藤太郎)

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