横浜地方裁判所 昭和56年(レ)16号 判決 1982年11月10日
控訴人(原審被告)
渕上清
右訴訟代理人
山下正祐
佐川京子
被控訴人(原審原告)
大澤絹子
右訴訟代理人
五十嵐公靖
箕輪正美
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
第一 当事者の求めた裁判<省略>
第二 当事者の主張
一 被控訴人の請求原因
1 被控訴人は控訴人に対し、昭和四九年六月二九日別紙物件目録記載の建物(以下「本件店舗」という。)を、期間昭和五三年一二月末日まで、賃料一か月金二万五〇〇〇円の約定で賃貸し、昭和四九年八月これを引き渡した。
2 その後四年余を経過した昭和五四年三月には、右賃料は物価、本件店舗の敷地の地代及び公租公課の上昇により、また比隣の店舗賃料に比較して極めて不相当となつた。
3 そこで被控訴人は控訴人に対し、昭和五四年三月二六日到達の内容証明郵便で、本件店舗の賃料を同年四月一日から一か月金四万五〇〇〇円に増額する旨の意思表示をした。
しかるに控訴人は右賃料増額の効果を争い、同年四月以降従前の賃料額である一か月金二万五〇〇〇円を適正賃料として供託している。
4 昭和五四年四月一日以降の本件店舗の適正賃料が一か月金四万五〇〇〇円であることは以下の事実により明らかである。
(一) 本件賃貸借契約締結の経緯
(1) 被控訴人の父大澤実(以下「実」という)は川崎市登戸新町二八一番及び同所二八二番一所在の宅地約三九六平方メートル(約一二〇坪)を賃借し、同土地上にマーケット二棟すなわち本件店舗のある建物(以下「第一マーケット」という。)とこの南側に隣接し主として同所二八二番一の土地上にある店舗兼共同住宅(以下「第二マーケット」という。)を所有していた。
実は控訴人の父渕上弥一(以下「弥一」という。)に対し、昭和四二年九月一一日第二マーケットのうち交差点に面した角の店舗床面積約七坪(以下「旧店舗」という。別紙図面表示参照。)を賃料一か月金三万円で賃貸し、その際同人から礼金六〇万円、道具代金二〇万円、電話代金一二万円合計金九二万円を受領した。弥一は右店舗において「大楽」の屋号で中華料理店を開業した。
(2) 実は弥一に対し昭和四七年九月旧店舗の賃料を一か月金五万円に増額する旨通知したが、弥一は従前の一か月金三万円以上は支払わないと主張して同額を供託した。
(3) 昭和四八年三月一五日実が死亡し、被控訴人が第一、第二マーケット及び敷地賃借権を相続により取得し、同マーケットの賃貸人たる地位を承継した。
被控訴人はそのころ第二マーケットの建替を計画し、同マーケット内の賃借人らとの間で明渡の交渉を始めた。弥一との間では昭和四八年一一月九日建替後のマーケットに入居することを条件に旧店舗を明け渡す旨の合意が一旦成立したが、その頃第一マーケット内の本件店舗が空いたので被控訴人は弥一に対しこちらへの移転を勧め、その後弥一から中華料理店の経営を譲り受けた控訴人との間で交渉の結果昭和四九年六月二九日、被控訴人が控訴人に対し本件店舗を賃料一か月金二万五〇〇〇円で賃貸すること、本件店舗改装費として金一五〇万円を支払うこと等を条件に控訴人は旧店舗を明け渡す旨の合意をした。
(二) 本件店舗の右賃料は、右のとおり被控訴人が第二マーケット建替の為控訴人に本件店舗への移転を求めざるを得ないという被控訴人にとつて不利な状況下において定められたもので、その当初より不当に低額なものであつた。従つて、右賃料は以下(三)ないし(五)記載の事情を十分考慮して客観的に適正な額に増額されるべきである。
(三) 本件店舗は小田急線並びに国鉄南武線の交差する登戸駅の北西方約六〇〇メートル、同駅から徒歩約七分の位置にあつて、幅員約九メートルの道路に面し、付近は住宅密集地であり店舗用立地として最適である。本件店舗を新規に賃貸するならば賃料は一か月金七万円を下らない。
(四) 第一、第二マーケット内の本件店舗以外の各店舗の昭和五四年四月当時の賃料は、厚木栄一賃借店舗(鮮魚店)が床面積四坪で一か月金三万五〇〇〇円、斉藤恒彦賃借店舗(青果店)が床面積七坪で一か月金四万九〇〇〇円、山形忠賃借店舗(電器店)が床面積七坪で一か月金七万円であつた。
(五) 第一マーケットには火災保険が掛けられているが、右保険料は控訴人の中華料理店がある為飲食店割増が付き一か年につき金二万四〇〇〇円の割高となつている。従つて本件店舗の賃料は他の店舗賃料よりその分高額となるべきである。
5 よつて被控訴人は控訴人に対し本件店舗の賃料が昭和五四年四月一日以降一か月金四万五〇〇〇円であることの確認を求める。
二 請求原因に対する認否<省略>
三 控訴人の主張
1 本件店舗の適正賃料の算定には第一、第二マーケット内の他の店舗の賃料増額の経緯を基準として重視すべきである。厚木の賃借店舗の賃料は賃借当初の昭和四一年以降一か月金三万円であつたが、第二マーケット建替後の昭和五二年に一か月金三万五〇〇〇円に、昭和五五年に一か月金三万八〇〇〇円に値上げされた。斉藤の賃借店舗(昭和三五年賃借)の賃料は昭和四九年第二マーケット建替の際に一か月金四万九〇〇〇円に、昭和五二年に一か月金五万二〇〇〇円に値上げされた。
右事例によれば、一定の据置き期間の後従前の賃料の一割弱の値上げがなされるのが実情で、本件店舗の賃料もこれにならうべきであつて、一時に金二万円の増額は極めて不当である。
2 仮に本件店舗の適正賃料の算定につき物価スライド方式を採用するとしても、基準時を昭和五三年一二月末日として算定すべきである。
(一) 両当事者は昭和四九年六月二九日本件店舗の賃貸借契約を締結する際、旧店舗及び本件店舗の賃料を昭和四八年八月以降一か月金二万五〇〇〇円と合意したが、それまで控訴人が支払つた一か月金三万円の旧店舗の賃料は右合意に従つて清算されたことはないから、昭和四八年八月を基準時としてスライド方式により算定することは明らかに誤りである。
(二) 本件店舗の賃貸借期間は昭和四九年一月一日から五年間であるから、当事者間において昭和五三年一二月末日までは一か月金二万五〇〇〇円の賃料額が合意されているのである。従つて昭和五三年一二月末日を基準時として、スライド方式により算定すべきである。<以下、事実省略>
理由
一請求原因1(本件店舗の賃貸借契約)及び3(賃料増額の意思表示、控訴人の抗争)の事実は当事者間に争いがない。
二賃料増額事由の存否について検討する。
1 総理府統計局発表の消費者物価指数第一表全国中分類指数中「家賃」は、昭和五〇年を一〇〇とした場合昭和四九年が91.3、昭和五四年が138.4であり、昭和四九年から昭和五四年までの間に1.51倍になつた。
2 <証拠>によれば、第一、第二マーケットの敷地の地代(年額)は昭和四八年以降金八万六四〇〇円であつたが、昭和五一年に金一四万四〇〇〇円昭和五三年に金一八万七二〇〇円に増額され、昭和四九年から昭和五四年までの間に2.16倍になつたことが認められる。
3 請求原因4(四)のうちの当事者間に争いのない事実並びに<証拠>によれば、第一、第二マーケット内の各店舗の賃料は一様ではなく、賃貸時期、場所、面積、敷金、権利金差入の有無等によつて相違するが、例えば、厚木栄一(鮮魚商)が昭和四二年一月以降賃借している第二マーケット一階店舗床面積四坪(13.2平方メートル、以下「鮮魚店」という。別紙図面表示参照)の昭和五四年三月当時の賃料は一か月金三万五〇〇〇円(一平方メートル当り金二六五一円)であり、これを本件店舗の床面積二六平方メートルに換算すれば(以下「換算値」という。)金六万八九二六円であり、斉藤恒彦(青果商)が昭和三六年三月以降敷金六〇万円を差入れて賃借している第二マーケット一階店舗床面積七坪(別紙図面表示参照)及び同二階住居六畳、三畳の二間(以下「青果店」という。)の昭和五四年三月当時の賃料は一か月金四万九〇〇〇円であり、右賃料中の店舗部分の占める割合は不明であるが、後記のとおり、これを四分の三とすると、その一平方メートル当りは金一五九〇円、換算値は金四万一三四〇円であり、山形忠(電器商)が昭和五〇年一二月以降保証金二〇〇万円を差入れて賃借している第一マーケット一階店舗床面積七坪(23.1平方メートル、以下「電器店」という。別紙図面表示参照)の昭和五四年三月当時の賃料は一か月金七万円(一平方メートル当り金三〇三〇円)、換算値は金七万八七八〇円であつて、本件店舗の当時の賃料(金二万五〇〇〇円、一平方メートル当り金九六一円)は、これらと比較すると、かなり下廻つていたことが認められる。
4 右認定の1ないし3の事実によれば、昭和四九年六月二九日合意された従前の賃料は、本件賃料増額請求のなされた昭和五四年三月においては、物価や敷地地代の上昇により又比隣の店舗賃料に比較して不相当になり、被控訴人においてその増額請求をなし得る要件を具備していたということができる。
三そこで、相当賃料額について検討する。
1 請求原因4(一)の事実(本件賃貸借契約に至る経緯)は当事者間に争いがない。
右事実の外、前記認定の請求原因1の事実並びに<証拠>を総合すれば、本件賃貸借契約締結の経緯について次の事実を認めることができる。
(一) 実は昭和四二年九月一一日、弥一に対し、旧店舗を賃料一か月金三万円期間五年の約束で貸し渡すとともに、右店舗内の道具、電話を売り渡し、同人から礼金六〇万円、道具代金二〇万円、電話代金一二万円合計金九二万円の交付を受けた。そして弥一は右店舗において「大楽」の屋号で中華料理店を始めた。
(二) 昭和四七年九月右賃貸借期間満了による契約更新の際、実は弥一に対し右賃料を一か月金五万円に増額することを請求したが、弥一はこれを拒否し、従前の賃料額で供託するようになつた。
(三) そうするうち、翌昭和四八年三月一五日実が死亡して被控訴人が相続により第一、第二マーケットを取得し、本件店舗を含め右マーケット内の店舗の賃貸人たる地位を承継した。
(四) その頃、被控訴人は第二マーケットが老朽化し、賃借人から雨漏り等の苦情を訴えられたので同マーケットの建替を計画し、賃借人との間で建替工事の際の店舗の明渡について交渉を始めた。弥一との間では、昭和四八年一一月九日、同人に対し被控訴人が建替後の第二マーケットの旧店舗と同一区画床面積6.41坪を賃料一か月金三万八〇〇〇円で賃貸すること及び新店舗入居までの休業補償金として金二〇万円を支払うことを条件に、弥一から旧店舗の明け渡しを受ける旨の合意が成立した。
(五) ところが、その後たまたま第一マーケット内の本件店舗が空き、建替後の第二マーケットの右区画に中華料理店があるのは店舗配置上都合が悪いという理由もあつて、被控訴人は弥一に対し、前記合意を解消して本件店舗に移転するよう勧めて明渡交渉を再開したが、その頃控訴人が弥一から中華料理店の営業を譲り受けたので、それ以後は控訴人との間で右交渉を続けた。控訴人は、本件店舗は旧店舗に比して立地条件が悪く営業上の不安があると訴え、交渉の結果、昭和四九年六月二九日両当事者は、本件店舗を賃料一か月金二万五〇〇〇円で賃貸借すること、敷金、礼金は改めて入れないこと、被控訴人から控訴人に対し明渡料(但し、本件店舗改装費を含む。)として金一五〇万円を支払うこと、増額について紛争中の旧店舗の賃料は、昭和四八年七月まで従来どおり一か月金三万円、同年八月から明渡まで一か月金二万五〇〇〇円とすること等を合意した。そして被控訴人は右合意に基づき控訴人に対し、昭和四九年八月本件店舗を引き渡し、同年七月二〇日から同年八月一三日までの間に、三回に分割して前記明渡料を支払つた。一方、控訴人は被控訴人に対し旧店舗明渡まで賃料として前記約旨をこえて一か月金三万円宛支払つたが、差額の清算はされなかつた。
ちなみに、右の時期における他店舗の賃料は、鮮魚店が一か月金二万八〇〇〇円(一平方メートル当り金二一二一円、換算値金五万五一四六円)、青果店が一か月金四万六〇〇〇円であつた。
(六) その後間もなく、控訴人の中華料理店営業が軌道に乗つたようであつたので、被控訴人は控訴人に対し賃料の増額を要求したが、なお営業に目途がつかないとの理由でこれを拒否された。
2 右認定事実によれば、従前の賃料は、本件店舗の立地条件等の客観的事情のほか、本件賃貸借契約が被控訴人側の都合により控訴人に旧店舗から本件店舗への移転を求めるために締結されたのであり、控訴人が訴えた本件店舗での営業上の不安という主観的事情も考慮せざるをえなかつたため、マーケット内の他店舗の賃料や七年間据え置かれ増額につき紛争中であつた旧店舗の賃料に比して、より低額に定められたことが認められるが、右事情のうち、移転に伴う営業上の不安は契約以来四年余の営業継続により昭和五四年三月には一応解消したと推認するのが相当である。そうすると、本件賃料を比隣の賃料に比して低額に決定した特殊事情の重要な部分が解消したのであるから、爾後の相当賃料を算定するにあたつては、比隣の賃料等との比較を十分考慮すべきである。そこで以下これにつき検討する。
3(一) 前記認定のとおり、被控訴人と弥一は昭和四八年一一月九日旧店舗明渡交渉の過程において、建替後の第二マーケット内の旧店舗と同一区画床面積6.41坪(21.153平方メートル)を賃料一か月金三万八〇〇〇円で賃貸することを合意した。
右区画の賃料額一平方メートル当り金一七九六円は、その賃貸開始時期を仮に本件と同じ昭和四九年とし、前記(二・1)認定の家賃指数比1.51を乗じて昭和五四年当時に時点修正をすれば、一平方メートル当り金二七一一円(換算値金七万〇四八六円)となる。右区画は角地にあるので、本件店舗と比較して立地条件は若干優れているが、店舗の品等には余り差がない(この点は証人酒井秀夫の証言及び同人作成の鑑定書の記載によつてこれを認める。)。
(二) 前記認定のとおり、鮮魚店の昭和五四年三月当時の賃料は一平方メートル当り金二六五一円(換算値金六万八九二六円)であるが、同店舗は第二マーケットの奥に位置するので、本件店舗と比較して立地条件は少々劣るが、店舗の品等は余り差がなく、契約時期は昭和四二年一月であり、旧店舗の賃貸借契約時と同じ頃である。
青果店の店舗部分の昭和五四年三月当時の賃料は、賃料全体中店舗部分の占める割合が不明であるので算出困難であるが(但し、<証拠>によれば、店舗は住居より高賃料であると認められる。)、その位置の比較、面積比等を考慮して、賃料全体金四万九〇〇〇円中における店舗部分七坪の占める割合を四分の三とすると、店舗部分の賃料は一平方メートル当り金一五九〇円、換算値金四万一三四〇円となる。同店舗は第二マーケットの奥に位置するので、本件店舗と比較して、立地条件は少々劣るが、店舗の品等は余り差がなく、契約時期は昭和三六年三月で継続期間は六年程長い。
電器店の昭和五四年三月当時の賃料は一平方メートル当り金三〇三〇円(換算値金七万八七八〇円)であり、同店舗は本件店舗と比較して、立地条件、店舗の品等は余り差がないが、契約時期が昭和五〇年一二月で新規契約である。
なお、<証拠>によれば、第一、第二マーケットには火災保険が掛けられているが、その保険料は、控訴人の中華料理店がある為これに飲食店割増が付き、一か年当り金二万四〇〇〇円(一か月当り金二〇〇〇円)の割高となつていることが認められる。従つて、本件店舗の賃料は右各店舗の賃料より右割高分につき高額になつて然るべきである。
なお、鑑定人酒井秀夫は、本件店舗の比準賃料を一か月坪当り金五〇〇〇円(換算値金三万九三〇〇円)と試算するが、その鑑定書及び証言によるも比較賃貸事例と本件店舗との地域要因の比較、当該物件の個別的要因の比較が十分なされているとはいえず、右試算値は直ちに採用することができない。
又、鑑定人酒井秀夫は、その鑑定書及び証言において、第一、第二マーケット内の他の店舗の賃料は、本件店舗と貸主が同一であるので、本件店舗の相当賃料額算定の参考にはならないというが、右見解は直ちに首肯し難く、採用できない。むしろ複数の賃貸目的物件の貸主が同一人で、その立地条件、店舗の品等等賃貸借条件において共通ないし類似する部分が多い場合、賃料額は、その他の決定要因においてなお個別性、特殊性の介在する余地がないとはいえないにしても、概ね近似する傾向にあるといつてよく、従つて、本件店舗の相当賃料額算定に当つて、第一、第二マーケット内の店の店舗の賃料額はこれを比較の対象とし、参考とするに価するものというべきである。
4 ところで、従前の賃料に前記認定の家賃指数比1.51を乗じて昭和五四年三月当時の相当賃料額を試算すると、一か月金三万七七五〇円となるが、前記のとおり本件店舗の賃料が低額に決定された特殊事情の重要な部分が解消したのであるから、右事情の存続を前提とした右試算値は低額に失するといわなければならない。
なお、控訴人は、右試算につき昭和五三年一二月末日を基準として算定すべきであると主張するが、本件賃貸借開始から四年余を経過した右時期において従前の賃料がなお相当であることを認めるに足りる証拠はなく、右主張は失当である。
5 前記二2で認定した地代増額の経緯並びに前記三1、2で認定した本件賃貸借契約締結に至る経緯及びその後の経過、同3で認定した他の賃貸事例との比較、同4で認定した試算値及びこれに対する判断を総合して判断すれば、本件店舗の昭和五四年四月一日以降の相当賃料額は一か月金四万円を下らないと認めるのが相当である。
控訴人は第一、第二マーケット内の他の店舗の賃料増額の経緯(増額率)を基準として相当賃料額を算定すべきであると主張するが、前記認定のとおり、本件賃貸借は当事者の主観的事情の変動という特殊事情が存するので、他の賃貸事例の賃料増額率を直ちに本件相当賃料額算定の基準とすることはできない。
四以上の事実によれば、被控訴人の本訴請求は、少なくとも本件店舗の賃料が昭和五四年四月一日以降一か月金四万円であることの確認を求める限度において正当として認容すべきところ、これと同旨の原判決は相当で、控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民事訴訟法第九五条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(佐藤安弘 小田原満知子 太田和夫)
物件目録<省略>
一階平面図<省略>