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水戸地方裁判所 平成8年(わ)555号 判決 1997年2月07日

本店の所在地

東京都江戸川区西小岩五丁目五番一一号

法人の名称

株式会社若葉

右代表者代表取締役

根本勲)

本籍

東京都江戸川区西小岩五丁目八六三番地

住居

東京都江戸川区西小岩五丁目五番一一号

会社役員

根本勲

昭和六年七月三日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官清水徹並びに弁護人黒須雅博(主任)及び同赤川満各出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人株式会社若葉を罰金四五〇〇万円に、被告人根本勲を懲役一年六か月にそれぞれ処する。

被告人根本勲に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人株式会社若葉は、東京都江戸川区西小岩五丁目五番一一号に本店を置き不動産売買等を業とするものであり、被告人根本勲は、被告人会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人根本は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、土地譲渡収入の一部を仮名普通預金口座に入金するなどの方法により所得を秘匿し、平成三年七月一日から同四年六月三〇日までの事業年度における被告人会社の課税所得金額が四億一七三三万六五二八円あったにもかかわらず、同年八月三一日、東京都江戸川区平井一丁目一六番一一号所在の所轄江戸川税務署において、同税務署長に対し、その課税所得金額が零円・土地譲渡利益が一九八九万二〇〇〇円、これに対する法人税額が三五三万三七〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同会社の右事業年度における正規の法人税額二億四五二七万四七〇〇円と右申告税額との差額二億四一七四万一〇〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する平成八年七月一六日付け、同月二四日付け、同月二五日付け、同月二八日付け及び同月三一日付け各供述調書

一  江戸川税務署長作成の回答書

一  大蔵事務官作成の不動産売上高調査書

一  大蔵事務官作成の支払手数料調査書

一  大蔵事務官作成の受取利息調査書

一  大蔵事務官作成の道府県民税利子割調査書

一  大蔵事務官作成の欠損金の当期控除額調査書

一  大蔵事務官作成の修正損益計算書(合計)

一  大蔵事務官作成の査察更正決議書

一  羽田一宏の検察官に対する供述調書

一  清水清一、清水成、國井健市及び菅谷勝一(四通)並びに小松崎章(ただし、謄本)の検察官に対する各供述調書

一  登記官作成の各登記簿謄本

(法令の適用)

被告人らの各判示所為はいずれも法人税法一五九条一項(被告人会社については、さらに同法一六四条一項)に該当するところ、被告人会社については情状により同法一五九条二項を適用し、その所定金額の範囲内で被告人会社を罰金四五〇〇万円に処し、被告人については所定刑中懲役刑を選択し、その所定刑期の範囲内で被告人を懲役一年六か月に処し、なお情状により被告人に対し、刑法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(求刑-被告人会社については罰金五〇〇〇万円、被告人については懲役一年六か月)

(裁判官 傳田喜久)

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