水戸地方裁判所 平成8年(ワ)704号 判決 1998年12月16日
原告
笠原昭
外一名
右両名訴訟代理人弁護士
村田恒夫
同
服部政克
被告
茨城県
右代表者知事
橋本昌
被告
茨城県アマチュアボクシング連盟
右代表者会長
鈴木洋一
被告
茨城県高等学校体育連盟
右代表者会長
小澤智
右三名訴訟代理人弁護士
大和田一雄
主文
一 本件請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は、原告らの負担とする。
事実及び理由
第一 請求
被告らは、原告各自に対し、金二四三七万四七〇五円及びこれに対する平成五年一一月二日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
本件は、茨城県立総和高等学校(以下「総和高校」という。)に在籍していた笠原宏(以下「宏」という。)が、平成五年一一月二日、「第五回全国高校ボクシング選抜大会県選考会兼平成五年度県選手権大会」(以下「本件大会」)という。)の試合直後に倒れ、同月一〇日、急性硬膜下血腫・脳挫傷により死亡した事故(以下「本件事故」という。)につき、宏の両親である原告らが、本件大会の主催者の被告茨城県アマチュアボクシング連盟(以下「被告ボクシング連盟」という。)及び同共催者の茨城県高等学校体育連盟(以下「被告体育連盟」といい、両連盟を合わせて「被告連盟ら」という。)に対して民法七〇九条に基づき、被告茨城県(以下「被告県」という。)に対しては国家賠償法一条に基づいて、それぞれ損害賠償を請求した事案である。
一 前提事実(証拠を掲記しないものは、当事者間に争いのない事実である。)
1 当事者等
(一) 原告らは、宏の両親である。宏は、昭和五三年三月一日生まれの男子であって、本件事故当時は総和高校の第一学年に在籍していた。
(二) 被告県は、総和高校を設置して管理する地方公共団体である。訴外植野孝雄(以下「植野」という。)は平成五年一一月二日に同高校の教諭として宏を本件大会に引率した者であり、被告県の公務員である。
(三) 被告ボクシング連盟は本件大会の主催者であり、被告体育連盟は本件大会の共催者である。(弁論の全趣旨)
2 本件事故に至る経緯及び事故の発生
(一) 宏は、当時通学していた総和高校にボクシング部がなかったことから、「古河エイティーンジム」というボクシングジムに通って、同ジムの会長である訴外長嶋清(以下「長嶋」という。)の指導の下でボクシングの練習を続けていた。
(二) 本件大会は、全国高校ボクシング選抜大会茨城県選考会と茨城県選手権大会を兼ねるもので、各高等学校の選手がトーナメント方式で試合を行って前者の優勝者を決定し、その優勝者と高等学校の承諾が得られないなどの理由で高等学校の選手としては参加できない選手との間で更に試合が行われるという形式が採られ、平成五年一〇月三一日から同年一一月三日までの四日間で催された。その対戦表は別紙のとおりである(甲第五号証の写しと同じもの)。
(三) 宏は、本件大会に総和高校のモスキート級の選手として出場し、同年一〇月三一日に行われた一回戦と翌一一月一日に行われた決勝戦にそれぞれ勝利し、全国高校ボクシング選抜大会茨城県選考会のモスキート級の優勝者となった。
(四) 宏は、同月二日、右優勝者として土浦ジム所属の高坂選手と試合を行ったが、判定負けとなった。
(五) 宏は、右試合終了後、突如気分の悪さを訴え、俯せになっていたところ、その数分後に昏睡状態に陥ったことから、大会関係者が直ちに一一九番に通報した。救急車は同日午後零時ころ大会会場に到着した。
(六) 宏を乗せた救急車は、同日午後零時一五分ころ、国立水戸病院に到着した。ところが、同病院が満床のため直ちに手術できない状態であったことから、救急車は、県西総合病院に向かうこととなり、同日午後二時一七分ころ、同病院に到着した。
(七) 同病院で直ちに宏の開頭血腫除去手術が行われたものの、宏は、その後も昏睡状態が続き、同月一〇日午後二時三五分、頭部打撲に基づく急性硬膜下血腫及び脳挫傷により死亡した。
二 争点
1 被告連盟らの過失(安全配慮義務違反)の有無並びにこれと宏の死亡との困果関係
2 植野の過失(安全配慮義務違反)の有無
3 損害の有無及び額
三 争点に対する当事者の主張
1 争点1(被告連盟らの過失(安全配慮義務違反)の有無並びにこれと宏の死亡との因果関係)について
(原告らの主張)
(一) ボクシングが身体の損傷を伴いやすい危険なスポーツであり、とりわけ頭部への傷害は起こりやすく、一度起これば速やかな対応をしない限り、硬膜下血腫等により重大な損傷を与えたり死に至らしめることもあることはよく知られているところであるから、特に身体的にも成長途上で脆弱な部分もある高校生が参加するボクシングの試合を主催ないし共催する者は、その危険性を十分認識した上、事故が起こらないように、また事故が起きた場合も損害が拡大しないように事前の準備と事後の対応を適切に行う安全配慮義務を負うものである。ところが、被告連盟らは、以下の(二)乃至(五)で述べるように右義務に違反したものであり、その義務違反の結果、宏が死亡したのである。
(二) 運営日程についての安全配慮義務違反
ボクシングの試合においては、体力に差がある者の試合を行うことはより危険性が高く、また、連日試合をすることも危険性が高い。したがって、大会運営者としては、体力に差がある者が試合をしないよう、また、試合が連日にわたって行われないよう配慮すべき義務がある。ところが、本件大会は、全国高校ボクシング選抜大会県選考会と茨城県選手権大会を兼ねたものであり、そのため、宏については最大三日連続で試合をするという強行日程が組まれていた。しかも、宏の三試合目の相手である高坂選手は、これが一試合目であったため、宏とは体力的に格段の違いがあった。このように、被告連盟らは、右安全配慮義務を怠って、宏に強行日程でかつ体力的に差のある選手と試合をさせたものである。
(三) 試合前の診察による結果回避義務違反
ボクシングは相手の頭部等に対して攻撃するものであり、脳に対する強い衝撃を加えやすいものであるから、脳に異状がないか、また、先天的に衝撃に弱い脳でないかについて事前に検査をすることが重要であるが、そのためには、試合前に医師による診察に加えて、CTスキャンやMRIによる診断が必要となるが、被告連盟らは、これを実施しなかった。
(四) 試合会場における専門医師の配置義務違反
ボクシングでは脳に傷害が発生する危険が高いのであるから、試合会場に医師を配置して、医師に試合中の選手の様子を観察させ、選手が脳に衝撃を強く受けたような場合には、ドクターストップをさせるなど医師に事故発生を未然に防止させ、また、選手の脳に傷害が発生する事故が生じた場合には一刻も早い手術が必要となることから、脳に傷害が発生した可能性がある否かを直ちに診断させ、更に、応急処置やその後の処置についても医師にさせる必要があるから、大会会場に医師を配置することは大会を運営する者の当然の義務である。しかしながら、被告連盟らは、これを怠り、大会会場に看護教諭を配置したのみで、医師は配置しなかった。
(五) 事故発生に備えた最寄りの専門病院との連携義務等
ボクシングの試合では、脳傷害の事故が発生する危険性が高く、そのような場合には一刻も早い手術が必要となるのであるから、大会を運営する者には、試合会場から最寄りの専門病院に対し、医師の侍機、手術室の確保、救急車の準備などの協力を依頼し、また、速やかな搬送方法も準備しておくなどの準備をしておく義務がある。ところが、被告連盟らは、これを怠り、事前にこれらの準備をしなかった。
(被告らの反論)
(一) 原告らの主張(一)に記載されているような一般的な安全配慮義務を被告連盟らが負っていることは認めるが、被告連盟らがそれに違反したとの点については争う。
(二) 原告らは、宏が本件大会で三日連続して試合に参加したことは過密スケジュールであったと主張する。しかしながら、日本アマチュアボクシング連盟の規定では、健康管理の観点から、選手は一日に一試合に限られているが、本件大会のような競技委員の管理下における三日間の連続出場は、選手にとって体力的にも精神的にも過重な負担とは考えられず、過密スケジュールとは到底言えない。全国高等学校総合体育大会(いわゆるインターハイ)等では、選手が連続で六日間出場することもある。
ちなみに、本件事故当日までの宏の試合時間は、大会一日目が相手選手失格により第二ラウンド一分四二秒で、同二日目がレフェリーストップコンテストにより第一ラウンド一分二一秒でそれぞれ終了しており、両日合わせても実試合時間はわずか五分三秒に過ぎないから、宏にとって過密スケジュールであったとは言えない。
(三) 原告らは、事前の専門医による検査が行われなかったと主張するが、宏を含む参加選手全員について、本件大会期間の毎日、試合開始前に専門医による所定の検診が行われており、宏については三日間の検査のいずれにおいても試合に支障のあるような異常は認められなかった。
(四) 原告らは、本件大会会場に専門の医師を待機させていなかった点で被告連盟らに安全配慮義務違反があると主張するが、本件のようなボクシング大会を開催する場合の運営方法を定める日本アマチュアボクシング連盟の規定では医師の配置を義務付けていないし、医師を待機させない大会運営は他県(例えば、山梨県、福島県、神奈川県、群馬県など)の同様大会においても行われているのであるから、この点をもって被告連盟らの安全配慮義務違反があったということはできない。
そして、そもそも本件事故のような頭部外傷に基づく重篤なケースの場合には、大会会場で具体的に医療措置をとることは不可能であり、速やかに専門病院に搬送することが唯一採り得る対処方法であるから、大会会場への医師の配置がなかったことと宏の死亡という結果との間には相当因果関係が存在しない。
(五) 原告らは、万一事故が起こった場合を想定して予め指定病院を準備しておくべきであったにもかかわらず、被告連盟らがそれを怠ったと主張するが、被告連盟らは、水戸市内にある志村病院に事故が起こった場合の協力を事前に依頼してあり、宏の場合についても救急車の救急隊にその旨を告げて右病院への搬送を要請したが、救急隊の判断で国立水戸病院への搬送が行われたものである。
2 争点2(植野の過失(安全配慮義務違反)の有無)について
(原告らの主張)
一般に、引率の教諭には、生徒が出場するスポーツ大会において、医師の待機をはじめとする安全対策が十分取られているかにつき確認した上で、その安全対策が十分でない場合にはその改善を要求し、その要求が充たされない場合には生徒を参加させないという完全配慮義務が認められる。ところが、本件大会では、ボクシングという危険なスポーツの大会であるのに医師が待機しておらず、また、万一事故が生じた場合における指定病院との協力態勢や搬送方法等についても十分な安全対策が講じられていなかったのであるから、植野としては、この点に対する確認や改善の申入れをする等して、死亡事故の発生を防止すべき安全配慮義務があったにもかかわらず、これを怠り、漫然と宏を本件大会に引率したという安全配慮義務に違反した過失がある。
(被告らの反論)
宏の父親である原告笠原昭から右学校長宛に大会参加許可願が出され、しかも、万一事故が発生した場合には原告らと長嶋が責任を負うとのことであったため、学校長は、教育的配慮から参加許可を出したものである。そして、植野は、当時総和高校の生活指導部長ではあったが、ボクシングに関しては全く宏を指導すべき立場にはなく、学校長の命に従って本件大会三日目の引率を担当しなに過ぎない。したがって、原告らの主張するような安全配慮義務を植野が負っていたとは、到底考えられない。
3 争点3(損害の有無及び額)について
原告らは、本件事故による損害を以下のとおり主張し、被告らは、(四)を除き、これを争っている。
(一) 宏の逸失利益
四五二四万九四一〇円
宏は、健康な男子高校生であったから、その逸失利益は、賃金センサス平成五年産業計・企業規模計・男子労働者・学歴計の全年齢平均年収五四九万一六〇〇円を基礎とし、生活費控除率を五〇パーセントとして、ライプニッツ係数16.4795を用いて計算すると、四五二四万九四一〇円となる。
原告両名は、右四五二四万九四一〇円の二分の一である二二六二万四七〇五円をそれぞれ相続した。
(二) 慰藉料
各原告につき一〇〇〇万円
宏は一六歳のいまだ前途ある若者であり、それを亡くした両親の悲しみは察するに余りあること等の事情を考慮すると、原告らに対する慰藉料としては各一〇〇〇万円が相当である。
(三) 弁護士費用
各原告につき一〇〇万円
(四) 既払金の控除
ただし、原告らに対しては、日本体育・学校健康センターから、本件事故を原因として既に合計一八五〇万円の死亡見舞金などが支払われているので、その二分の一である九二五万円をそれぞれ控除する。
(五) 合計
よって、被告らが各原告に賠償すべき金員は、右合計二四三七万四七〇五円である。
第三 争点に対する判断
一 争点1(被告連盟らの過失(安全配慮義務違反)の有無並びこれと宏の死亡との因果関係)について
1 運営日程についての安全配慮義務違反の有無について
(一) 甲第五号証、乙第二号証、第四号証の一乃至三、第五号証の一乃至三、第六号証の一乃至三、第七号証の一及び二、証人鳥居塚紀元の証言を総合すると、次の事実を認定することができる。
(1) 本件大会の試合は、一ラウンド二分間の三ラウンド制で、各ラウンド間には各一分間の休みを入れるという方式のものであり、宏の出場したモスキート級では、これを一日一試合で三日間行うというものであった。
(2) 全国高等学校総合体育大会におけるボクシング大会では、決勝進出者は右のような方式の試合を六日間連続で行うこともある。
(3) 本件大会における宏についてみても、一回戦及び決勝戦では、いずれも優位に試合を進めており、そのダメージは皆無に近いものであり、土浦ジム所属の高坂選手との試合終了直後も元気な様子であった。
(二) これらの事実に照らすと、本件大会の日程自体に無理があったとまでは認められない。
よって、この点に関する原告らの主張は理由がない。
2 試合前の診察による安全配慮義務違反の有無について
乙第一号証の一及び二、証人河村博及び同長嶋清の各証言によれば、本件大会においては、参加選手は、自分の出場する試合の朝に必ず医師による検診を愛けることとされていたこと、右検診においては、前日の試合状況を質問するとともに、体温・脈拍・血圧を測定したり、瞳孔反応・腱反射・胸腹部を検査する等して、参加選手の体調、とりわけ脳、胸腹部、四肢等の異状の有無を確認していたこと、河村博医師は、平成五年一一月一日及び同月二日の検診を担当したが、右両日における宏の体調、とりわけ脳の状態については特に異常は認められなかったことの各事実が認められる。
この点、原告らは、CTスキャンあるいはMRI等の精密検査をしなければ、安全配慮義務を尽くしたことにならない旨主張する。たしかに、前記のような検診の結果、出場選手に何らかの異状が認められる場合には、右精密検査を行うことによって事態の悪化を回避することができる可能性が高いことは疑いを容れないところである。しかしながら、本件においては、高坂選手との試合が始まる時点において宏の脳に異状があったと認めるに足りる証拠は全くないのであるから、宏の死亡と右精密検査を経ていないこととの間に因果関係を認めることは証拠上そもそもできないところである。これに加えて、証人長嶋清の証言によれば、右精密検査には一人一回当たり約一万五〇〇〇円程度の費用がかかることが認められ、アマチュア選手全員に各試合毎にそのような負担を強いることは、現時点ではおよそ現実的とはいえないし、右精密検査には劣るとはいえ本件大会で行われていた検診においても相当程度まで脳の状態を検査することができたことに照らすと、被告連盟らが右精密検査をしなかったことをもって直ちに安全配慮義務に違反したとまではいえない。
よって、この点に関する原告らの主張も理由がない。
3 試合会場における専門医師の配置義務違反の有無について
本件大会会場に医師が配置されていなかったことは当事者間に争いがないが、証人鈴木敬及び同河村博の各証言によれば、一般に、ボクシングの試合において選手に硬膜下血腫が生じた場合は、専門医師であってもその場の手当てによって対処することは不可能であり、可及的早期に脳外科の専門病院に搬送して手術を受けさせるしか方法がないこと、本件では、宏が異状を訴えてから国立水戸病院に搬送されるまでについては、前記第二の一、2(五)(六)で記したとおり、時間面で特に問題はなかったこと、宏は、国立水戸病院に搬送された時点で既に重篤な状態にあったことの各事実が認められる。このような事実関係の下では、仮に専門医師が配置されたとしても、事態が変わっていたとまでは認めることができず、したがって、試合会場に専門医師が配置されなかったことと宏の死亡との間には因果関係を認めることができず、したがってまた、そのことが被告連盟らの過失(安全配慮義務違反)を構成するとは考えることができない。
よって、この点に関する原告らの主張は理由がない。
4 事故発生に備えた最寄りの専門病院との連携義務等の違反の有無について
証人河村博及び同鳥居塚紀元の各証言によれば、被告連盟らは、事故に備えて、水戸市内にある脳外科の専門病院である志村病院に協力を依頼してあったこと、被告連盟の飯島は、本件大会会場に駆けつけた救急隊に対し、志村病院に向かうよう要請したこと、救急隊が志村病院ではなく国立水戸病院に急行したのは、救急隊員の判断によるものであることの各事実が認められる。
この点、証人鈴木敬は、事前に病院に協力を依頼していたというのであれば、救急隊がその病院に急行しないはずがない旨証言するが、右証言は憶測の域を出ず、にわかに信用することができない。
よって、この点に関する原告らの主張は、その前提を欠き、理由がない。
5 結論
以上のとおり、原告らの被告連盟らの過失(安全配慮義務違反)に関する主張は、いずれも理由がない。
二 争点2(植野の過失(安全配慮義務違反)の有無)について
乙第三号証並びに証人植野孝雄の証言によれば、宏の父親である原告笠原昭は、当時の総和高校の学校長に対し、本件大会の参加許可願を提出し、万一事故が生じた場合には原告らと長嶋が責任を負うと申し出たこと、これを受けた右学校長は、教育的配慮から宏の本件大会参加を許可したこと、本件大会の引率は三日間とも別々の教諭が担当したこと、植野は、ボクシングについては全く指導した経験がなかったが、本件事故当日に特に予定が入っていなかったことに加え、長嶋が本件大会に随行するとのことであったことから、本件大会三日目の引率を引き受けることになったことの各事実が認められ、この認定に反する部分の原告笠原昭の本人尋問の結果は信用できない。そして、本件大会の運営に問題があったとは認められないことは、前述したとおりである。これらの事情を総合すると、植野に原告らが主張するような安全配慮義務を認めることはできない。
よって、この点に関する原告らの主張は理由がない。
第四 結論
以上のとおりであって、その余について判断するまでもなく、原告らの請求は理由がないから、これをいずれも棄却し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法六一条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官鈴木航兒 裁判官中野信也 裁判官植村幹男)