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水戸地方裁判所 昭和42年(わ)60号 判決 1967年5月30日

本店所在地

茨城県結城郡千代川村宗道三二番地

石塚産業株式会社

代表取締役

石塚欣

本籍

同郡八千代村東蕗田五六九番地

住居

同郡千代川村宗道三二番地

会社役員

石塚欣

大正一一年一一月九日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、審理を遂げ次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金一〇〇〇万円に処する。

被告人石塚欣を懲役一〇月に処する。

ただし被告人石塚欣に対しこの裁判が確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は茨城県結城郡千代川村宗道三二番地に本店を設け、(一)土石類採堀及び建設資材販売(二)土木及び建築工事請負(三)コンクリート製品製造並びに販売等を目的とする株式会社であり、被告人石塚欣は右会社の代表取締役として会社の業務一切を統轄していたものであるが、被告人石塚は被告会社の業務に関し法人税を免れる目的をもつて同会社の支払運賃を架空または水増し計上してその支払金で架空名義の簿外預金を設定し、未払分については未払運賃支払手形等の架空負債を計上する等の不正手段によりその所得の一部を秘匿したうえ

第一  昭和三八年二月一日より同三九年一月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額二〇八五万三八五七円これに対する法人税額は七七三万五三〇〇円であつたにも拘らず昭和三九年三月三一日所轄下館税務署において同税務署長に対し所得金額二一〇万四七四〇円、法人税額六九万八七八〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、同会社の正規の法人税額七七三万五三〇〇円との差額七〇三万六五二〇円をほ脱し

第二  昭和三九年二月一日より同四〇年一月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額三八二七万九〇〇五円これに対する法人税額は一四二九万七七二〇円であつたにも拘らず、昭和四〇年三月三一日所轄下館税務署において同税務署長に対し、所得金額三〇五万六〇六六円、法人税額九二万一一一〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し同会社の正規の法人税一四二九万七七二〇円との差額一三三七万六六一〇円をほ脱し

第三  昭和四〇年二月一日より同四一年一月三一日までの事業年度における被告会社の所得金額四九四三万〇七九八円これに対する法人税額は一八〇一万一四五〇円であつたにも拘らず、昭和四一年三月二九日所轄下館税務署において同税務署長に対し、所得金額五〇七万七八五七円、法人税額一六一万〇四二〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し同会社の正規の法人税一八〇一万一四五〇円との差額一六四〇万一〇三〇円をほ脱し

たものである。

(証拠の標目)

(一)  冒頭の事実関係

一  登記官浅野長彦作成の被告会社の登記簿謄本(ただし被告人の答申書(一)に添付)

一  被告会社定款(ただし被告人の答申書(二)に添付)

(二)  判示第一の事実関係

一  大蔵事務官中山高一作成の昭和四一年一一月三〇日付証明書(一)添付の被告会社昭和三八年度法人税申告書(写)

一  大蔵事務官須田秀彦作成の法人税決議書(一)

一  同事務官作成の昭和三八年度被告会社に対する脱税額計算書(一)

(三)  判示第二の事実関係

一  大蔵事務官中山高一作成の昭和四一年一一月三〇日付証明書(二)添付の被告会社昭和三九年度法人税申告書(写)

一  大蔵事務官須田秀彦作成の法人税決議書(二)

一  同事務官作成の昭和三九年度被告会社に対する脱税額計算書(二)

(四)  判示第三の事実関係

一  大蔵事務官中山高一作成の昭和四一年一一月三〇日付証明書(三)添付の被告会社昭和四〇年度法人税申告書(写)

一  大蔵事務官須田秀彦作成の法人税決議書(三)

一  同事務官作成の昭和四〇年度の被告会社に対する脱税額計算書(三)

(五)  判示事実全部を通じ

一  桜井正子の検察官に対する供述調書

一  叶野勇次の検察官に対する供述調書

一  小倉美の検察官に対する供述調書

一  中村孝の答申書

一  塩地芳之助の答申書

一  押収してある印鑑二六個(昭和四二年押第二八号の一)、ゴム印四四個(同押号の二)、現金出納帳一冊(同押号の四)、支払手形記入帳一冊(同押号の五)、未払運賃帳三冊(同押号の六ないし八)手形関係綴四綴(同押号の九ないし一二)

一  被告人の

1 当公判廷における供述

2 検察官に対する供述調書六通

3 大蔵事務官に対する質問てん末書九通

4 答申書二通(ただし昭和四一年七月一三日付、同年八月一八日付のもの)

(適条)

一  事実 判示第一および同第二につき

(一)  被告会社

昭和四〇年法律第三四号法人税法付則一九条、同法律による改正前法人税法四八条一項、五一条一項

(二)  被告人石塚

右同付則一九条、同改正前法人税法四八条一項(懲役刑選択)

判示第三につき

(一)  被告会社

法人税法一五九条一項、一六四条一項

(二)  被告人石塚

同法一五九条一項(懲役刑選択)

二  併合罪

(一)  被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

(二)  被告人石塚

刑法四五条前段、四七条、一〇条

三  執行猶予

被告人石塚

刑法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

検察官 吉田賢治

(裁判官 向井哲次郎)

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