水戸家庭裁判所 昭和38年(少)1046号
主文
少年を中等少年院に送致する。
理由
(罪となるべき事実)
少年は
第一 昭和三八年○月○○日午後八時五〇分頃、水戸市○○町○区○○○○番地○野屋こと横○菊○方裏空地において、同店々内より連れ出した同店々員横○○美(当一五年)に対し、いきなり同女の前側からその体に両手で抱きつく等の暴行を加えたうえ同女に接吻し、もつてわいせつの行為をなし、
第二 H外五名と共謀の上、同年○月○○日午前二時頃、同市△△二丁目○○○○番地附近路上において、同所に駐車中の株式会社○家水戸出張所(所長松○富○)所有の普通貨物自動車内より、右松○管理にかかるチョコレート二七六枚、ビスケット大箱二箱(時価合計一三、六〇〇円相当)を窃取し、
第三 H、Kと共謀の上婦女を姦淫しようと考え、同年○月○○日午後一〇時過頃、同市××町○○区○○交通バス停留所の十字路附近において、その機会を窺いながら過すうち、同日午後一〇時四〇分頃たまたまバスを降りて右停留所の十字路を○○大学正門方向へ暗がりの道路を単身歩行する○山○子(当二一年)の姿を認め、折柄辺りに人影がないのを幸い強いて同女を姦淫しようと企て、直ちにHが同女の跡を追いかけ同町○○区○○○○番地○井○二方前路上において同女に追いすがり呼びかけたところ、これに驚いた同女が大声で助けを求めるや、矢庭に手で同女の口を押さえあるいは逃れようとする同女の体を抱きかかえ、一方Kにおいて同女に対し「静かにしろ」と言いつつその胸元に所携の刃渡り約一三糎のクリ小刀を突きつけ、強いて同女を姦淫しようとしたが、同女が必死に抵抗したため遂にその目的を遂げなかつたけれども、そのさいKが前記クリ小刀をもつて同女の右胸部を突き刺し、同女に対し全治まで約四ヵ月を要する右胸部刺創の傷害を負わせ
たものである。
(法令の適用)
第一の事実につき、刑法第一七六条
第二の事実につき、同法第二三五条、第六〇条
第三の事実につき、同法第一八一条、第一七七条、第六〇条
審判の結果、少年の素質と環境、事件の内容、少年の境遇、経歴、教育の程度、不良化の経過と程度、心身の状況その他を綜合考察して、この際少年に対して少年院の矯正教育を施し、もつて社会適応性をもたしめるのを相当と認める。そこで、少年法第二四条第一項第三号、少年審判規則第三七条第一項、少年院法第二条により、少年を中等少年院に送致することとし、主文のとおり決定する。
(裁判官 吉本俊雄)