水戸簡易裁判所 事件番号不詳 判決
主文
被告人を懲役一年に処する。
但し、本裁判確定の日から五年間右刑の執行を猶予する。
被告人を保護観察に付する。
理由
罪となるべき事実
被告人は、
第一、昭和三十六年六月三日午前九時三十四分頃、常盤線水戸駅上り四番線ホームにおいて、上野行第二二〇列車に乗車しようとしていた片岡文子が携帯していたハンドバツグ内から同女所有の現金三百三十円他二点在中の財布をすり取り
第二、同月十七日午後三時二分頃、同駅ホームにおいて常陸太田行第五二七列車に乗車しようとしていた小泉恵子が携帯していたハンドバツグ内から同女所有の現金一万一千五十円在中の財布をすり取り
第三、同日午後三時四十三分頃、同駅四番線ホームにおいて、上野行第三四三八電車に乗車しようとしていた力丸光が携帯していたハンドバツグ内から同女所有の現金二千百四十四円他二点在中の財布をすり取り
もつてそれぞれ窃取したものである。
証拠の標目(省略)
法令の適用
法律に照すと判示被告人の各窃盗の所為は刑法第二百三十五条に該当し、以上は同法第四十五条前段の併合罪になるから同法第四十七条第十条に則り犯情の最も重いと認められる判示第二の窃盗罪の刑に法定加重をした刑期範囲内で被告人を懲役一年に処し、但し本件は貧困の余り行われた犯罪で被害は弁償され、被告人は近親者の保護監督下に更生すべき旨固く誓つておる等の情状に鑑み執行猶予期間中の犯行ではあるが同法第二十五条第二項を適用し本裁判確定の日から五年間右刑の執行を猶予し同法第二十五条の二第一項後段により右猶予期間中被告人を保護観察に付することとし、主文の通り判決する。(昭和三六年七月一八日水戸簡易裁判所)