大判例

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津地方裁判所 平成10年(わ)61号

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官木下武彦出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一〇月及び罰金一二〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金四万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(犯罪事実)

被告人は、三重県松阪市町平尾町八八三番地の七に自宅兼店舗を置き、善六の屋号で貝類卸売業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、帳簿類を記帳せず、確定申告時には事業所得につき過少申告する方法で所得を秘匿した上、

第一  平成五年における実際所得金額が四六四四万三二五七円(別紙第一の一の修正貸借対照表参照)であったのに、平成六年三月一一日、三重県伊勢市殿町一三一五番地三の所轄松阪税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七六〇万円で納付すべき所得税額は六七万七〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、同年分の正規の所得税額一八一一万五〇〇〇円との差額の一七四三万八〇〇〇円(別紙第一の二のほ脱税額計算書参照)を免れ、

第二  平成六年における実際所得金額が四〇二〇万〇五一〇円(別紙第二の一の修正貸借対照表参照)であったのに、平成七年三月一三日、前記松阪税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七〇〇万円で納付すべき所得税額は四四万〇六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、同年分の正規の所得税額一二九七万七〇〇〇円との差額の一二五三万六四〇〇円(別紙第二の二のほ脱税額計算書参照)を免れ、

第三  平成七年における実際総所得金額が四一四四万七〇七七円(別紙第三の一の修正貸借対照表参照)であったのに、平成八年三月一三日、前記松阪税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が七三〇万円で納付すべき所得税額は五六万七〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、同年分の正規の所得税額一三五二万七五〇〇円との差額の一二九六万〇五〇〇円(別紙第三の二のほ脱税額計算書参照)を免れた。

(証拠) 括弧内の甲乙の数字は検察官請求証拠等関係カードの証拠を指す。

判示全事実につき

一  被告人の当公判廷における供述

一  被告人の検察官に対する各供述調書(乙一ないし五)

一  濱口とよ子(甲一一ないし一三)、石山坂信(甲一四)の検察官に対する各供述調書

一  大蔵事務官作成の各査察官調査書(甲一ないし一〇)

判示第一の一の事実につき

一  松阪税務署長作成の平成五年分の確定申告書の証明書(甲一五)

判示第二の事実につき

一  松阪税務署長作成の平成六年分の確定申告書の証明書(甲一六)

判示第三の事実につき

一  松阪税務署長作成の平成七年分の確定申告書の証明書(甲一七)

(法令の適用)

判示各所為 所得税法二三八条一項、情状により同条二項

刑種の選択 懲役刑と罰金刑を併科

併合罪加重 平成九年法律第九一号の附則二条二項により、刑法四五条前段、懲役刑につき刑法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の罪の刑に法定の加重)、罰金刑につき刑法四八条二項

換刑処分 刑法一八条

執行猶予 刑法二五条一項(懲役刑につき)

訴訟費用 刑訴法一八一条一項

(量刑の理由)

被告人は、貝類卸売業による所得につき虚偽過少申告をして合計四二九三万円余の所得税を免れたものであるが、自己及び家族のため蓄財するとの犯行動機に酌むべき点はないし、ほ脱率も約九五パーセントと高率であるから、被告人の刑事責任は軽視できないが、査察後一連の犯行を反省し、修正申告をして本税及び附帯税を納付し、経理方法を改善して今後同様な犯罪をしないと述べていることなどの事情を考慮し、懲役一〇月及び罰金一二〇〇万円に処し、その懲役刑の執行を猶予する(求刑 懲役一年及び罰金一五〇〇万円)。

(裁判官 柴田秀樹)

別紙一の一

修正貸借対照表

平成5年12月31日現在

<濱口武己>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

別紙一の二

ほ脱税額計算書

自 平成5年1月1日

至 平成5年12月31日

<濱口武己>

<省略>

<省略>

別紙二の一

修正貸借対照表

平成6年12月31日現在

<濱口武己>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

別紙二の二

ほ脱税額計算書

自 平成6年1月1日

至 平成6年12月31日

<濱口武己>

<省略>

<省略>

別紙三の一

修正貸借対照表

平成7年12月31日現在

<濱口武己>

<省略>

<省略>

<省略>

<省略>

別紙三の二

ほ脱税額計算書

自 平成7年1月1日

至 平成7年12月31日

<濱口武己>

<省略>

<省略>

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