大判例

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津地方裁判所四日市支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人杉丸忠太郎を懲役一年六月及び判示第一、第二、第三の事実につき各罰金二十万円に、被告人杉丸忠良同加藤富士男をいづれも懲役拾月及び判示第一、第二、第三の事実につき各罰金八万円に各処する。

右罰金を納め得ないときは、被告人杉丸忠太郎に対し金二千円を一日に、同杉丸忠良同加藤富士男に対し金千二百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置する。

但し、被告人杉丸忠良同加藤富士男に対しいづれも参年間右懲役刑の執行を猶予する。

訴訟費用中証人植松米一同神谷七三二同恒藤竹治同加藤一郎同渡部金右衛門同大矢鈴太郎に支給した分は、被告人等の連帯負担とし、証人矢野九三同平山寒一郎に支給した分は、被告人杉丸忠太郎同忠良の連帯負担とし、証人向井三生同馬嶋重隆に支給した分は、被告人加藤富士男の負担とする。

理由

被告人杉丸忠太郎同杉丸忠良同加藤富士男は、谷山勝太郎、小山徹、沖繩人西原某、崎原某等と共謀して、いづれも日本政府により許可された貿易代行機関にあらず、且つ所轄税関の免許を受けることなく、砂糖を輸入せんことを企て、北緯三十度以南にある沖繩与那国島で入手して、勝丸に砂糖三万斤を積込み、これを昭和二十四年十月九日夜半伊勢湾海上常滑沖浮標附近まで運航し来り、同所で予め用意せる勝隆丸に内二万斤を積み替え、翌十日夜更に勝丸から残り一万斤を金正丸に積み替え、輸入の目的を遂げようと待機中、

第一、同月十一日頃右金正丸を名古屋市中川区船戸町二丁目一番地附近まで運行して、これに積載した砂糖一万斤を所轄税関の免許を受けずして、名古屋市中川区五月通二丁目三十九番地神谷七三二方に陸揚げして、該貨物の輸入をなし、

第二、同月十三日頃四日市市須賀浦沖合において、予て勝隆丸に積替えておいた前記砂糖のうち一万斤を、更に金正丸に積替えた後、これを名古屋市中川区船戸町三丁目一の二十九番地東海橋下流の大矢セメント倉庫前まで運行して、所轄税関の免許を受けないで、右大矢セメント倉庫内に陸揚げして該貨物を輸入し、

第三、同月十五日頃前記勝隆丸を四日市市天ケ須賀住吉町千八百八十六番地先河岸まで運航し、これに積載した前記砂糖一万斤を所轄税関の免許を受けずして、同所所在の井村秀男の倉庫代用小屋内に陸揚して、該貨物の輸入をし

たものである。

(証拠説明は省略する。)

法律に照すと、被告人等の判示各所為は、外国為替及び外国貿易管理法附則2、3、貿易等臨時措置令第一条第四条、昭和二十五年法律第一一七号による改正前の関税法第七十六条(右は犯罪後の法律により刑の変更があつた場合であるから、刑法第六条により軽い改正前の関税法を適用)刑法第六十条に各該当するところ、右は一個の行為で数個の罪名に触れる場合であるから、刑法第五十四条第一項第十条に従い、犯情の重い昭和二十五年法律第一一七号による改正前の関税法第七十六条により処断すべきところ、情状により懲役及び罰金を併科することにし、以上は同法第四十五条前段の併合罪であるから、懲役刑については、同法第四十七条第十条により犯情の最も重い判示第三の関税法違反の罪の刑に法定の加重を為した刑期範囲内に於て、罰金刑については、前記関税法第八十二条の四に則り、判示各関税法違反の所為につき所定金額範囲内に於て、各被告人に対し主文第一項掲記の刑に量定処断し、被告人等に於て、右罰金を納め得ないときは、刑法第十八条に則り、被告人杉丸忠太郎に対し金二千円を一日に、同杉丸忠良同富士男に対し金千二百円を一日に換算した期間当該被告人を労役場に留置することにし、情状により刑法第二十五条を適用して、被告人杉丸忠良同加藤富士男に対し三年間いづれも右懲役刑の執行を猶予する。なお訴訟費用については、刑事訴訟法第百八十一条第百八十二条を適用して、主文第四項掲記のとおり、被告人等の負担とする。

以上の理由で主文の通り判決した。(昭和二六年八月一八日津地方裁判所四日市支部)

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