浦和家庭裁判所熊谷支部 昭和39年(少)1377号 決定 1965年4月19日
少年 Y・T枝(昭二五・二・一九生)
主文
少年を浦和保護観察所の保護観察に付する。
理由
一、この事件の要旨は少年は昭和三九年九月家出をして、いかがわしい場所である児玉郡○○村大字△△×××○○飲食店に住込み就労したこと等により埼玉県熊谷児童相談所長に通告になり同月七日県立教護院埼玉学園に入院したが再度も逃走し前記○○飲食店で稼働しており保護能力に欠ける保護者に少年の生活指導を任せることは不適当なので強制的措置を付して施設に収容教護する必要があるというのである。
二、よつてその当否を検討するに審理の結果によると、当裁判所は少年を昭和四〇年一月一一日家庭裁判所調査官の試験観察に付したところ、一応遵守事項を守つて自宅で母ていと内職をし落着いた生活を続けており、結局中学校は三年中退となつたが同年四月一三日から○○町○○運動具店に就職し同店主○代○秋が同町役場とも連絡をとり少年の生活指導に当つていることが認められる。
以上の事実によればもはや少年を強制的措置を付して収容教護する必要性は除去されたものと思料されるので少年に対しては保護観察に付し保護司による補導援護をなすことが相当である。
三、よつて少年法二四条一項一号を適用して主文のとおり決定する。
(裁判官 平山三喜夫)