大判例

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清水簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

本件公訴を棄却する。

理由

本件公訴事実は、「被告人は政府の酒類販売免許を受けないで昭和二十五年二月十四日静岡県小笠郡桜木村富部の自宅において政府の酒類製造免許を受けない者の製造した焼酎一斗二升(アルコール分二十一度及び二十度七分含有のもの)を販売の目的で所持していたものである。」というにある。

本件は間接国税に関する犯則事件であつて、告発を待つて受理すべき事件に該当するものと解すべきであり、右事件の告発の取消と請求を待つて受理すべき事件の請求の取消とを区別して取扱うべき理由は存しないから右事件についても刑事訴訟法第二百三十七条第一、二項を類推適用し、その告発は公訴の提起があるまで取り消しうると共に、一且告発を取り消した以上、更に同一事件について告発をなし得ないものと解するのが相当であるが、山崎錠一の検察官に対する供述調書によれば、掛川税務署長は本件について昭和二十五年三月三十一日掛川区検察庁検察官に告発の手続をなしたところ、被告人が同検察庁における取調で公訴事実記載の焼酎は被告人が製造したものである事実を自供したため、右自供の事実について告発の手続をなすべく、前記告発を同年十一月三十日取り消したが、更に右自供の事実について告発しようとしたところ、被告人がその住居を移転し、その所在が不明となり、告発の手続が遅れたので、昭和二十七年四月十七日前記告発の取消をなした本件について再び告発をなしたことが認められるから、右第二回目の告発は無効であり、結局本件は告発がないのに公訴を提起した場合と同一に帰し、刑事訴訟法第三百三十八条第四号により公訴棄却の言渡をなすべきである。

よつて、主文の通り判決する。

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