甲府地方裁判所 昭和25年(行モ)11号 決定
原告 井出与五右衛門 ほか十五名
被告 山梨県知事
一、主 文
申立人等の本件申立はいずれもこれを却下する。
二、理 由
本件申立の要旨は、
「山梨縣農地委員会は申立人等所有の別紙目録記載の各土地につき買收計画を樹立し、昭和二十四年十一月二十二日より同年十二月十二日まで公告縱覧に供した。そこで申立人等によりそれぞれ異議の申立をしたが却下されたので、更に相手方山梨縣知事に訴願したところ、訴願棄却の裁決があつた。
しかし、右買收計画は開墾に適しない土地を買收対象に編入した違法があり、これを容認した本件裁決も違法であるから、その取消請求訴訟を当廳に提起したのであるが、右買收手続が進行し、右各土地につき開拓が行われるにおいては、今まで育成に努力した立木が伐採され償うべからざる損害を蒙るから、右買收計画に基く買收処分の執行の停止を求める。」
というのであるが、申立人等の提起した右裁決取消請求の本案訴訟(当廳昭和二五年(行)第三三号事件)において、同人等の主張するところによれば、同人等が前記裁決書の送達をうけたのは昭和二十五年八月十七日であるというのに、右本案の訴の提起されたのは申立人渡辺與利太郎、渡辺高能については同年十月十一日、その余の申立人等については同月七日であることは当裁判所が職務上熟知するところであるから、右の訴はいずれも出訴期間を徒過した不適法のものとして却下を免れないものである。從つてその限りにおいて本件申立も理由なきものとして却下すべきものとし、主文のとおり決定する。
(裁判官 入山実 石田実 宮沢邦夫)