大判例

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甲府家庭裁判所 事件番号不詳 判決

本籍 静岡県沼津市香貫市場町

住居 甲府市穴切町四百八番地

特殊飮食業

岩崎ゆき(大正三年十二月二十五日生)

主文

被告人を罰金二万円に処する。

右罰金を完納することができないときは

金二百五十円を一日に換算した期間被告

人を労役場に留置する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

被告人は昭和二十六年十二月二十六日頃から肩書住居に於いて特殊飮食店「あたみ」を経営しているものであるが昭和二十八年二月十日頃右「あたみ」に於いて○下○智○(当時十五年昭和十二年四月一日生)と同女が満十八才に満たない児童であることを知つていたにも拘らず同女に売淫させることを内容とする契約を為して同女を接客婦に雇入れ、同女をして同日頃から約五日間前記「あたみ」に於い来客に対し売淫させ以つて児童に淫行をさせたものである。

右事実は

一、被告人の当公判廷に於ける供述。

一、証人池上民子、山崎種子、岩崎喜代作の当公判廷に於ける各供述。

一、証人○下○智○の昭和二十九年四月三日附供述調書の記載。

一、前記岩崎喜代作々成に係る覚書。

一、横浜市中区長より甲府市警察署長宛の○下○智○に対する身元調査方照会の回答書。

一、石井秋肆の検察官に対する供述調書の記載。

一、○下○智○の検察官に対する供述調書の記載。

一、被告人の司法警察員、及び検察官に対する各供述調書の記載。

によつて、これを認める。

法律に照すに被告人の判示行為の内婦女に売淫をさせることを内容とする契約をした点は婦女に売淫をさせた者等の処罰に関する勅令第二条に、児童に淫行をさせた点は児童福祉法第六十条第一項第三十四条第一項第六号に各該当するところ右は互に手段結果の牽連関係にあるので刑法第五十四条第一項後段、第十条により重い児童福祉法違反罪の刑に従ひ、その所定刑中、罰金刑を選択し、その金額の範囲内で被告人を罰金二万円に処し、右罰金不完納の場合に於ける換刑処分については刑法第十八条を適用し、訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項により全部被告人をしてこれを負担せしむべきものとする。

よつて主文の通り判決する。

(裁判官 小宮山照雄)

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