大判例

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盛岡地方裁判所遠野支部 事件番号不詳 判決

主文

菊池康夫の請求を棄却する。

菊池康夫は菊池ヨテに対し両人肩書地番の宅地八三坪上に在る木造亜鉛メツキ鋼板及び柾葺平家建、建坪五坪、木造亜鉛メツキ鋼板葺平家建、建坪五坪、木造板葺平家建、建坪一坪五合の三棟を収去し上記宅地のうち之等建物の敷地部分を明渡すべし。

訴訟費用の全部を菊池康夫の負担とする。

事実

菊池康夫訴訟代理人は菊池ヨテが菊池康夫に上記宅地八三坪の所有権移転登記手続を為すべき旨の判決を請求、(一)菊池康夫は菊池ヨテの兄で両人の父菊池六太郎は負債のため前記係争宅地を訴外平野孝平に売渡担保として同人所有名義としていたが大正一四年一一月二〇日債務を弁済し所有権移転登記を受けるに際し菊池六太郎名義とすれば他の債権者から差押えられることを虞れ女菊池ヨテと通謀、同女が平野孝平から買受けた如く装い其旨の登記をした(二)菊池六太郎は昭和八年七月二八日死亡、菊池康夫は家督相続に因り所有権を取得した(三)仮に菊池六太郎に所有権がなかつたとしても菊池康夫は家督相続以来所有の意思を以て平穏且公然に占有して来たから短期若くは長期取得時効完成した旨陳述

菊池ヨテの請求に対し請求棄却の判決を求め其主張事実に対し前記(一)乃至(三)の如く答えた。

(立証省略)

菊池ヨテ訴訟代理人は主文二項同旨判決を請求、(1)此宅地は菊池ヨテの父菊池六太郎の所有であつたが(2)同人は大正一二年八月一四日訴外平野孝平に売渡した(3)同人から菊池ヨテは大正一四年一一月二〇日買受けた(4)菊池ヨテは昭和八年七月菊池康夫と使用貸借契約をし使用させて来たが昭和三二年三月頃から同人は菊池ヨテの所有権を否認し信義則に反したので昭和三二年六月一三日訴状を以て解除し使用貸借契約終了したので(5)同契約に基き建物の収去及び其敷地の引渡請求権あり仮に使用貸借関係がなかつたとせば所有権に基く同様の請求権ある旨陳述

菊池康夫の請求に対し請求棄却の判決を求め其主張に対し当事者の身分関係、菊池康夫主張日時同人が父の死亡に因り家督相続したことを認め前記(1)乃至(5)の如く答えた。

(立証省略)

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