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知財高等裁判所 平成22年(ネ)10065号 判決 2010年11月08日

控訴人(原告)

アテンションシステム株式会社

被控訴人(被告)

株式会社三菱東京UFJ銀行

訴訟代理人弁護士

吉原省三

小松勉

訴訟復代理人弁護士

三輪拓也

上田敏成

主文

本件控訴を棄却する。

控訴人が当審で変更した請求を棄却する。

当審の訴訟費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由

第1控訴の趣旨(2,3項は変更された当審の新請求)

1  原判決を次のとおり変更する。

2  被控訴人は控訴人に対し,呼び出し番号記憶携帯通信機を電話番号記憶携帯電話機に統一して呼び出し番号記憶携帯通信機の通信する自由と権利を剥奪した。他社はこれに賛同した。

3  被控訴人は,電話番号記憶携帯電話機売上決済を除去し,販売済みの後払い方式の混乱が起きない電話番号記憶携帯電話機売上決済をすべて無料化せよ。

4  信用回復措置の請求160万円及び後払い方式の電話番号記憶携帯電話機が「繋ぐ技術料有料化する」特許権を侵害した事実を認める相当料を支払え。

第2事案の概要

1  名称を「通信不正傍受阻止システム」とする発明の特許権者である控訴人は,被控訴人の使用するテレフォンバンキング及びモバイルバンキング・ケータイアプリバンキングと称する被告システムにより請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)の特許権が侵害された旨主張して,被控訴人に対し,損害賠償の支払等を求めた。

2  控訴人は,原審において,①被告システムの使用差止め,②被告システムに係る設備の除却並びに③損害賠償として700万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求めたが,原審は,被告システムが本件特許発明の技術的範囲に属するとは認められないとして,控訴人の請求をいずれも棄却した。

3  控訴人は,当審において,上記2①及び②の各請求を特許法100条1項及び2項に基づく前記第1,2及び3の請求に変更し,また,上記2③の金銭請求については,損害賠償として160万円等の支払を求める限度において控訴の対象とした。

第3判断の基礎となる事実及び争点

本件における判断の基礎となる事実及び争点は,原判決2頁13行目以下の「1判断の基礎となる事実」及び「2 争点」記載のとおりである。

第4当事者の主張

当事者の主張は,原判決5頁6行目以下の「第3 争点に関する当事者の主張」記載のとおりである。

第5当裁判所の判断

当裁判所も,控訴人の本訴請求は当審において変更された請求を含めて棄却すべきものと判断する。その理由は,原判決6頁5行目以下の「第3 当裁判所の判断」記載のとおりである。当審において控訴人が本件特許発明の内容や被控訴人の行為について主張するところによっても,上記判断は動かない。

よって,本件控訴は理由がなく,また,当審において変更された請求も理由がないから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 塩月秀平 裁判官 清水節 裁判官 古谷健二郎)

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