知財高等裁判所 平成24年(行ケ)10290号 判決 2013年3月21日
原告
株式会社モンシュシュ
訴訟代理人弁護士
田中克郎
中村勝彦
大河原遼平
弁理士
佐藤俊司
田中景子
被告
ゴンチャロフ製菓株式会社
訴訟代理人弁理士
角田嘉宏
古川安航
三上真毅
足立ゆかり
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由
第1原告の求めた判決
特許庁が無効2012-890003号事件について平成24年7月5日にした審決を取り消す。
第2事案の概要
本件は,商標登録を無効とした審決の取消訴訟である。争点は,引用商標との類否(商標法4条1項11号)である。
1 特許庁における手続の経緯
(1) 原告は,本件商標権者である。
【本件商標】
file_2.jpg・登録第5402361号
・指定商品 第30類「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子,茶,紅茶,コーヒー及びココア」
・出願日 平成21年8月20日
・登録日 平成23年4月1日
(2) 被告は,平成24年1月10日,本件商標の登録無効審判(無効2012-890003号)を請求した。
特許庁は,平成24年7月5日,「登録第5402361号の指定商品中,第30類『菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子』についての登録を無効とする。」との審決をし,その謄本は同年7月13日,原告に送達された。
2 審決の理由の要点
審決の理由の要点は,本件商標は,その指定商品中の第30類「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」について,引用商標と相紛れるおそれのある類似の商標であり,かつ,その指定商品も抵触関係にあるものであるから,商標法4条1項11号に該当するというものである。
【引用商標】(登録第1474596号)
file_3.jpgMONCHOUCHOU EYYay2・指定商品 第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
平成13年11月21日に第30類「菓子,パン」を指定商品とする書換登録
・出願日 昭和52年6月29日
・登録日 昭和56年8月31日
・商標権者 被告
第3原告主張の審決取消事由
1 取消事由1(「本件商標の一体性」の判断の誤り)
審決は,「該各図形部分についてみれば,いずれも飾りとして認識されると考えられるものであるから,これより出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないとみるのが相当である。・・そうとすると,本件商標の構成中の『Baby』,『Mon』及び『chouchou』の欧文字部分は,これに接する者をして,その構成中の各図形部分から分離して看取,把握され得るものである。」と認定した(13頁13~19行目)。また,審決は,「Baby」の文字が「菓子及びパン」等との関係では商品が「小さなもの」であることを表すために日常的に使用され,本件商標に接する需要者が「商品の品質,形状を表したものと認識する場合も決して少なくない」と認定した(14頁11~13行目)。一方「Mon chouchou」の文字は一般的に知られている語であって識別力が弱いものなどということはできないと認定したうえで,「Baby」の欧文字からは出所識別標識としての称呼・観念を生じることはなく,「Mon chouchou」部分が強く支配的な印象を与えると判断した(14頁14~18行目)。
しかし,本件商標は,原告の洋菓子ブランド「ベビーモンシュシュ」を表したものであり,原告の洋菓子ブランド「ベビーモンシュシュ」は,「大空にはばたく羽のように,何ものにもとらわれない自由な発想で織り成すロールケーキの新しい風…キュートに,エレガントに。」をコンセプトにしている。そこで,本件商標の図形部分は,大空にはばたくきらびやかな羽をデザインし,また,ブランド名の「ベビーモンシュシュ」という響きから,母体ブランドである原告の著名な「堂島ロール」で需要者に広く認識されている「モンシュシュ」で使用しているバラのロゴを蕾に変えて,よりキュートさを強調させたマークにデザインしたものである。このようなキュートなイメージと相まって,本件商標全体から生じる「ベビーモンシュシュ」の語感も全体的にまとまりがあるものである。このような本件商標の外観・称呼から生じるイメージに照らして考えると,本件商標に接する需要者が「Baby」部分を,単に商品が小さいものであるという商品の品質,形状を表したものと認識するとして,出所識別標識としての称呼・観念を生じることはないとした審決の判断は妥当性を欠く。
「Mon chouchou」の欧文字部分の識別力に関しても,当該文字は,菓子やパンを販売する店舗やカフェの名称として好んで採択されている他,ペット関連商品や各種雑貨といった様々な商品の商品名などですでに幅広く使用されているものであるから,「Mon chouchou」の文字自体の自他商品識別力は決して強いものとはいえない。むしろ,「菓子及びパン」の分野において,原告は「Mon chouchou(モンシュシュ)」の語を,原告の著名なロールケーキ「堂島ロール」を販売する洋菓子店の名称として使用してきたものであるから,洋菓子の需要者の間では,「Mon chouchou(モンシュシュ)」の語は原告の洋菓子店舗の名称として広く知られているというべきである。よって,「Baby」の文字部分について出所識別標識としての称呼・観念を生じることはないとし,「Mon chouchou」の文字の識別力を強く認めた審決の判断には,誤りがある。
本件商標は,「Baby」の文字と「Mon」を同じ大きさで,「chouchou」の文字を僅かに小さく,それぞれ同じ書体で記載し,その左側にバラの蕾の図形を配し,上段の「B」の文字の左上に羽の図形を配した文字と図形の結合商標であるから,図形部分と文字部分とを分離して判断することは妥当ではない。
この点,同様のバラの図形と3段書きの欧文字とからなる原告の別件登録商標「
」(登録第5402362号)に対して被告が請求した別件無効審判請求事件(無効2012-890004)の審決(審決日:平成24年8月27日)は,本件審決の後になされたものであるが,そこでは,「欧文字中段の『M』を中心として,その左縦棒下部のひげ飾りと,花の図形の茎を繋げ,また,中段の『M』の右縦棒上部のひげ飾りと,上段の欧文字中の『C』の下部に接するようにして語末の『l』の下部のひげ飾りとを繋げ,さらに,下段の欧文字中,2文字目『h』の縦棒上部と中段の『M』の下部とを繋げて,それぞれを配置した態様からなるものであって,花の図形と三段書きした欧文字とを繋げて表していることから,各構成要素が,外観上まとまりよく表された一体不可分の商標として,取引に資されるものといえる。」などとして,商標の外観上の一体不可分性が認定され,全体として非類似と結論づけられている(甲221)。
本件商標は「M」の文字を中心に,バラの蕾の図形と欧文字部分とがバラの蔓やひげ飾りを通じて繋がっている構成態様であり,別件登録商標の構成態様と似ているものであるから,本件商標に関しても文字と図形との外観上の一体不可分性が認められて然るべきである。さらには,三段書きした「Baby」,「Mon」及び「chouchou」の欧文字に関しても,中段の「M」の右縦棒上部のひげ飾りと,上段の欧文字中の「a」の下部に接するようにして語末の「y」の下部のひげ飾りとを繋げ,さらに,下段の欧文字中,2文字目「h」の縦棒上部と中段の「M」の下部とを繋げて,それぞれを配置した態様からなるものであって,外観上まとまりよく表された一体不可分のものとして,取引に資されると判断されるべきである。
以上より,審決は,本件商標の要部認定において,本件商標の外観上の一体性を過小評価し,「Mon chouchou」部分が出所識別標識として機能すると判断して,当該要部認定に基づき引用商標と類似すると判断した点が違法であるので,取り消されるべきである。
2 取消事由2(本件商標の周知性の認定の誤り)
審決は,本件商標の登録審決時(平成23年3月4日)に,原告の洋菓子店舗「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」の店舗数は2店舗に過ぎず,開業期間も短いという点のみを捉え,本件商標がその登録審決時に原告の洋菓子店舗「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」を表示するものとして需要者の間に認識されていたとはいえないと認定した。
しかし,原告は,「モンシュシュ」が「堂島ロール」を始めとしたロールケーキや洋菓子で大人気の原告の店舗名として著名となった後,その姉妹店として,洋菓子店舗「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」が開業された取引実情を踏まえ,本件商標に接した取引者・需要者は,原告の著名なロールケーキ「堂島ロール」を販売する原告の洋菓子店「パティシエリーモンシュシュ」の姉妹店であると想起すると主張しているのである。このような取引実情については,テレビ,雑誌,新聞等で多数報道されており,またインターネットでのブログや口コミサイトにおいても掲載がなされているものである。すなわち,原告の洋菓子店舗「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」は,原告の著名なロールケーキ「堂島ロール」を販売する原告の洋菓子店「パティシエリーモンシュシュ」の姉妹店として開店し,「姉妹ブランド」として「東京一週間」(甲151)等の情報誌や,日本テレビのテレビ報道がされている。かかる証拠に照らせば,本件商標は,需要者によって,原告の「堂島ロール」を始めとする洋菓子を販売する店舗「パティシエリーモンシュシュ」の姉妹店の「ベビーモンシュシュ」として理解されるとの認定がなされるべきである。
したがって,審決は,商標の類否判断において考慮すべき具体的取引実情の認定を看過したうえで本件商標は引用商標に類似すると認定しており,誤りであって,取り消されるべきである。
第4被告の反論
1 取消事由1(「本件商標の一体性」の判断の誤り)に対して
原告は,あたかも,本件商標を原告の洋菓子店舗「ベビーモンシュシュ」において使用していたかのような主張をしているが,原告が実際に使用していたのは,以下の態様からなる「baby Mon chouchou」であり,本件商標とは「Baby」の文字部分の大きさ及び飾り部分において明らかに異なる。
file_4.jpgAY : aby原告は,平成21年6月に「ベビーモンシュシュ」の使用を開始し,平成24年7月1日に屋号を「ベビーモンシェール」に変更するまでの間(乙3~5),本件商標を使用していない。
また,原告は,「ベビーモンシュシュ」の母体ブランドである原告の「モンシュシュ」は需要者に広く認識されていると述べているが,原告の「モンシュシュ」は需要者に広く認識されたものではない。なお,原告は,平成24年7月1日をもって,「モンシュシュ」の使用も中止している(乙8,9)。
原告は本件商標を一切使用しておらず,また,原告の「モンシュシュ」は需要者に認識されていないことから,単なる本件商標のコンセプトやデザインの特徴をもって,本件商標構成中の「Baby」の文字部分を見た洋菓子の需要者が,当該文字部分を商品の品質,形状を表したものとは認識しない,との原告の主張は根拠を欠くものである。
「Baby」の文字は,「ベビー」と発音されるものであって,「赤ん坊,赤ちゃん」等の意味を有するもののみならず,他の語と結合して「小さい,小型の,子供用の」等の意味をもって複合語を形成するものとしても一般に広く慣れ親しまれた英単語であるところ,該文字又はその表音である「ベビー」の片仮名は,菓子やパンなどを含む様々な商品分野において,商品が通常の大きさよりも小さなものであることを表すものとして,日常的に使用されている。そして,「ベビー」及び「Baby」の文字は,我が国の義務教育課程において学習する基本的英単語であるだけでなく,代表的な洋菓子の一つに挙げられる「ベビーカステラ」や「ベビーシュークリーム」等が広く認知されていることから,通常の注意力を有する本件商標の需要者(老若男女を問わず広く一般消費者といえる。)であれば,本件商品において「ベビー」及び「Baby」の文字が他の語と結合して付された場合,小さい形状や可愛らしいデコレーション等を指称する語と認識することが容易に推測される。
また,本件商標構成中の「Mon chouchou」の文字自体の自他商品識別力は決して強いものとはいえない,との原告の主張は,根拠を欠く。
2 取消事由2(本件商標の周知性の認定の誤り)に対して
審決は店舗数と開業期間の短さのみをもって判断したものではない。
原告の「モンシュシュ」は,「菓子及びパン」の分野において,需要者に広く認識されたものではない。また,原告は本件商標をこれまで一切使用していない。
第5当裁判所の判断
1 取消事由1(「本件商標の一体性」の判断の誤り)について
(1) 本件商標
本件商標は,飾り文字で表してなる「Baby」,「Mon」及び,これらよりわずかに小さく表される「chouchou」の各欧文字を3段に配したものの左側にバラのつぼみの図形を配し,「Baby」の欧文字の左斜め上側に羽根のような図形及び交差部を太く表してなる十字図形を配してなるものである。この構成態様に照らせば,本件商標は,各欧文字と各図形とを組み合わせてなる結合商標であり,各図形部分は,いずれも飾りとして認識され,出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないとみるのが相当である。そうすると,本件商標の構成中の「Baby」,「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分は,これに接する者をして,その構成中の各図形部分から分離して看取,把握され得るものと認めるべきである。
ところで,「baby」の文字は,「ベビー」と発音されるものであって,「赤ん坊,赤ちゃん」等の意味を有するほか,他の語と結合して「小さい,小型の,子供用の」等の意味をもって複合語を形成するものとしても一般に広く慣れ親しまれた英単語であるところ(乙22~24),「ベビー」の片仮名は,菓子やパンを含む様々な商品分野において,商品が通常の大きさよりも小さなものであることを表すものとして,日常的に使用されているものであるから(乙11~21,25,26,28~61),本件商標を,その指定商品中の「菓子及びパン,氷菓子,ゼリー菓子」に使用した場合,これに接する取引者,需要者は,本件商標の構成中の「Baby」の欧文字部分について,それが該商品の大きさが通常よりも小さなものであること,すなわち,商品の品質,形状を表したものとして認識するのが通常と推測される。したがって,本件商標の構成中の「Baby」の欧文字からは,出所識別標識としての称呼,観念を生じることはないとみるのが相当である。
原告は,本件商標は,「Baby」の文字と「Mon」を同じ大きさで,「chouchou」の文字を僅かに小さく,それぞれ同じ書体で記載し,その左側にバラの蕾の図形を配し,上段の「B」の文字の左上に羽の図形を配した文字と図形の結合商標であることを強調して主張する。しかし,指定商品における「Baby」の文字についての取引者,需要者の認識は上記のとおりであるし,「Baby」は他の文字構成である「Mon」,「chouchou」の最上段に同じ書体で表記されていることからみて,「Mon」,「chouchou」についての上記の意味合いを付するものにすぎず,「Mon chouchou」がフランス語として取引者,需要者に強い印象を与えるのに比して,「Baby」がよく知られている英単語であることを考慮すると,原告の上記主張も,「Baby」についての上記判断を左右するものではない。
そして,「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分についてみると,前者が「モン」の読み及び「私の」等の意味を,後者が「シュシュ」の読み及び「お気に入り」等の意味を有するフランス語であるが(甲1),我が国においてフランス語がよく普及しているとはいえず,フランス語を履修しなかった通常人が「Mon chouchou」の意味を理解し難いにしても,本件商標の指定商品である菓子を始めとして,その商品名にフランス語の単語を付することは往々にして行われることからすれば,「Mon chouchou」がフランス語の単語であり,フランス語の読み方をするものと理解するのが本件商標に接する需要者であると認めることができる。そのフランス語読みは「モンシュシュ」であるが,フランス語を理解しない者も「Mon」がローマ字読みも「モン」であること,「chouchou」の読みが例えば「ショウショウ」あるいは「チョウチョウ」と読む者は通常考えられないことからすると,「Mon chouchou」はフランス語の読み方のとおり「モンシュシュ」と称呼されるものと認めるのが相当である。
「Mon」はフランス語で「私の」を意味し,「chouchou」は「お気に入り」を意味するところ,これらの単語はフランス語以外では意味をなさないことからすると,「Mon chouchou」からは「私のお気に入り」の意味合いを想起する以外の観念は生じない。
したがって,本件商標は,その構成中の「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべきであり,「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分が本件商標の要部であり,その構成文字に相応して,「モンシュシュ」の称呼を生じ,「私のお気に入り」ほどの意味合いを想起させるものといえる。
(2) 引用商標
引用商標は,「MONCHOUCHOU」の欧文字と「モンシュシュ」の片仮名とを上下2段に書してなり,その構成態様に照らせば,下段の片仮名は,上段の欧文字の読みを特定するものとして理解され,上段の欧文字は,本件商標の構成中の「Mon」及び「chouchou」の2つのフランス語の単語を大文字にて書体を同じくし一連にしてなるものであるから,その構成文字に相応して,「モンシュシュ」の称呼を生じ,「私のお気に入り」ほどの意味合いを想起させるものといえる。
(3) 本件商標と引用商標との類否についての検討
本件商標は,その構成中にあって出所識別標識としての要部たる「Mon」及び「chouchou」の欧文字部分に相応する「モンシュシュ」の称呼を生ずるのに対し,引用商標は,その構成文字に相応する「モンシュシュ」の称呼を生ずるものであるから,両商標は,称呼を同一とするものである。
また,本件商標と引用商標とは,いずれもその構成文字に相応して,「私のお気に入り」ほどの意味合いを想起させるものである。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観においては相違するものの,「モンシュシュ」の称呼を同じくし,かつ,「私のお気に入り」ほどの意味合いを想起させる点を共通にするものであるから,これらを総合勘案すれば,両商標は,類似の商標というべきである。
原告が主張する別件登録商標に関する別件審決は,事案を異にし上記判断を左右するものではない。
したがって,原告の主張する取消事由1には理由がない。
2 取消事由2(本件商標の周知性の認定の誤り)について
原告は,「モンシュシュ」が「堂島ロール」を始めとしたロールケーキや洋菓子で大人気の原告の店舗名として著名となった後,その姉妹店として,洋菓子店舗「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」が開業された取引実情を踏まえ,本件商標に接した取引者・需要者は,原告の著名なロールケーキ「堂島ロール」を販売する原告の洋菓子店「パティシエリーモンシュシュ」の姉妹店であると想起すると主張する。
しかし,本件商標と同一の構成からなる標章が商品に使用された事実を認める証拠はない。原告は「Baby Mon chouchou(ベビーモンシュシュ)」が原告の店舗の姉妹店として需要者によって理解されていると主張するが,この文字が本件商標の指定商品の標章として需要者に理解されていることまで述べるものではないし,そのように認めるべき証拠もない。
その他,取引の実情に照らしても,上記1でした類否判断を左右すべき事実関係は認められない。
したがって,原告の主張する取消事由2も理由がない。
第6結論
よって,原告の請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 塩月秀平 裁判官 池下朗 裁判官 古谷健二郎)