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知財高等裁判所 平成28年(行ケ)10015号 判決 2016年5月18日

原告

株式会社中央経済社ホールディングス

訴訟代理人弁護士

鈴木修

西川喜裕

弁理士

青木博通

被告

主文

1  特許庁が取消2015-300244号事件について平成27年12月24日にした審決を取り消す。

2  訴訟費用は被告の負担とする。

事実及び理由

第1原告の求めた裁判

主文同旨

第2事案の概要

本件は,原告の登録商標(登録第2578258号商標。以下「本件商標」という。)に関する商標法50条1項に基づく商標登録取消審判請求を成立とした審決の取消訴訟である。

1  本件商標及び特許庁における手続の経緯等

本件商標は,下記の「犬めくり」という文字を横書きしてなる商標であり,その指定商品は第16類「書籍,カレンダー,その他印刷物,書画,写真」である。

原告は,平成27年7月8日,本件商標を株式会社カミン(以下「カミン」という。)から譲り受け,同年8月13日,商標権者として登録された。

被告は,同年4月3日,本件商標の全指定商品について,商標法50条1項により,取消審判請求をし(取消2015-300244号。以下「本件審判請求」という。),同月17日,その旨の登録がされた。

特許庁は,同年12月24日,「登録第2578258号商標の商標登録は取り消す。」との審決をし,同審決謄本は,平成28年1月7日,原告に送達された。

(以上,甲1ないし3,5,6)

(本件商標)

file_2.jpgRH<O2  審決の要旨

審決は,原告は本件審判請求に対し答弁しないから,本件商標の登録は商標法50条の規定により取り消すと判断した。

第3原告主張の審決取消事由(本件商標の使用)と被告の認否

原告は,本件審判請求登録前3年以内(以下「要証期間」という。)である平成25年9月,当時の商標権者であったカミンが,本件商標の指定商品に属する「犬めくり2014 Dogs Calendar」と題するカレンダーを発行して,日本国内の書店や複数のウェブサイトで販売し,その表紙や最終頁等に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標(本件商標と同一の「犬めくり」の文字からなる商標)を付して使用した事実を主張して,審決の取消しを求めた。

被告は,前記事実を争わない旨述べた。

第4当裁判所の判断

1  前記第3のとおり,本件商標と社会通念上同一と認められる商標が,要証期間内に,日本国内において,本件商標の当時の商標権者であったカミンにより,指定商品のうち「カレンダー」について使用されていたことは,当事者間に争いがなく,要証期間内における本件商標の使用が認められるから,本件商標について商標法50条の規定により登録を取り消した審決は取り消されるべきである。

2  よって,原告の請求を認容することとして,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 清水節 裁判官 片岡早苗 裁判官 古庄研)

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