神戸地方裁判所 平成元年(レ)19号 判決
(抄録)
「この点について按ずるに、Yは、前認定のとおり、Xの従業員Tから、製本を必要としなくなったら電話をしてくれと言われていたところ、原審証人Fの証言によれば、昭和六二年六月、Yが入院した際、同人の妻Fが、Xの京都事務所としていたT方に対し、断わりの電話を入れたこと、応対に出た社員は係の者に伝えておく旨答えたが、その後XからY方へ何の連絡もなかったため、Y側としては、本件契約は解約になったものと思っていたこと、しかるに、同年一〇月、突然製本が送られてきたので、驚いて直ちにこれを送り返したが、Xは再びこれをY方に送付してきたことが認められ(以上の認定に反する証拠はない)、右認定事実を考慮すれば、なるほどYの書面による本件契約の解約通知が製本が送付された後になされているとしても、もともとXにおいてYにいわゆるクーリング・オフの権利行使の告知をしていなかった落度があったのであるから、Yの右解約通知をもって信義則に反するとはいえない。」