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神戸地方裁判所 平成4年(わ)334号 判決 1992年9月14日

本籍

兵庫県加古川市別府町新野辺五七四番地の五八

住居

同右

会社役員

長尾徹夫

昭和一八年一二月一二日生

右の者に対する所得税法違反被告事件について、当裁判所は検察官小弓場文彦出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役一年二月及び罰金二〇〇〇万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

この裁判確定の日から三年間右懲役の執行を猶予する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、兵庫県加古川市別府町新野辺五七四番地の五八において、長尾商店の屋号で鉄屑運送業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て

第一  昭和六三年分の総所得金額は五〇三三万六一八八円で、これに対する所得税額は二〇〇二万七二〇〇円であるにもかかわらず、過少な所得金額を記載した所得税確定申告書を作成するなどの行為により、総所得金額のうち、四三一七万三七八八円を秘匿した上、平成元年三月一三日、兵庫県加古川市加古川町木村字木寺五の二所在の所轄加古川税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額は七一六万二四〇〇円で、これに対する所得税額が七七万五四〇〇円(但し、七一万三一〇〇円と誤って記載。)である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額二〇〇二万七二〇〇円との差額一九二五万一八〇〇円を免れ、

第二  平成元年分の総所得金額は八九三一万九一四三円で、これに対する所得税額は三九八一万〇一〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、総所得金額のうち、八二一二万一六四三円を秘匿した上、平成二年三月一三日、前記所轄加古川税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額は七一九万七五〇〇円で、これに対する所得税額が七〇万三六〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、同年分の正規の所得税額三九八一万〇一〇〇円との差額三九一〇万六五〇〇円を免れ、

第三  平成二年分の総所得金額は六六九一万〇五六〇円で、これに対する所得税額は二八六三万一八〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、総所得金額のうち、五九三三万六三〇五円を秘匿した上、平成三年三月一三日、前記所轄加古川税務署において、同税務署長に対し、同年分の総所得金額は七五七万四二五五円で、これに対する所得税額が七八万二〇〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為

により、同年分の正規の所得税額二八六三万一八〇〇円との差額二七八四万九八〇〇円を免れた

ものである。

(証拠の標目)

判示全部の事実につき

一  被告人の公判廷の供述

一  被告人の検察官に対する供述調書(検甲一〇二号)

一  被告人の大蔵事務官に対する各質問てん末書(同八九ないし一〇〇号)

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書説明資料(同七号)

一  同作成の各査察官調査書(同八ないし七七号)

一  長尾佐代子の検察官に対する供述調書(同一〇一号)

一  高島貞子作成の供述書(同七八号)

一  平置テル、山口友秋、伊藤宗司、春山栄吉こと徐栄吉、長尾佐代子の大蔵事務官に対する各質問てん末書(同七九ないし八八号)

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(同一号)

一  同作成の所得税確定申告書謄本(同四号)

同第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(同二号)

一  同作成の所得税確定申告書謄本(同五号)

同第三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(同三号)

一  同作成の所得税確定申告書謄本(同六号)

(法令の適用)

被告人の判示各所為はいずれも所得税法二三八条に該当するので、所定刑中懲役刑及び罰金刑を併科し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により、懲役刑については犯情の最も重いと認める判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内、罰金刑については同法四八条二項により罰金の合算額の範囲内で、被告人を懲役一年二月及び罰金二〇〇〇万円に処し、同法一八条により右罰金刑につき換刑処分をし、右懲役刑につき同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間その執行を猶予し、訴訟費用については、刑事訴訟法一八一条一項本文により被告人に負担させることとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 加藤光康)

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