神戸地方裁判所 昭和51年(わ)106号 判決 1976年12月27日
本籍
神戸市須磨区宝田町三丁目四番地
住居
神戸市須磨区高倉台一丁目一〇番一二号
会社役員
竹本勲
昭和四年九月一二日生
所得税法違反被告事件
検察官広田
勇出席
主文
被告人を懲役一年及び罰金五〇〇万円に処する。
被告人において右罰金を完納することができないときは、金二万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、竹本産業の屋号でケミカルシューズ卸売業を営んでいるものであるが、自己の事業に関し所得税を免れようと企て
第一 昭和四七年分の自己の実際の総所得金額は三、一五七万六、一二八円、これに対する所得税額は一、五二五万五、四〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上、売上の一部を除外し、或は仕入を過大に計上することによって得た資金を架空名義の預金等として留保するなどの不正手段により所得の一部を秘匿したうえ、昭和四八年三月九日、神戸市長田区大道通一丁目所在の長田税務署において、同署長に対し、総所得金額が二四七万四、七三二円、これに対する所得税額が二四万四、九〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税一、五〇一万五〇〇円を免れ
第二 同四八年分の自己の実際の総所得金額は五、三四六万六五三円、これに対する所得税額は二、八九六万五、一〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同四九年三月七日、同税務署において、同署長に対し、総所得金額が三三一万四、五九六円、これに対する所得税額が三九万五、九〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税二、八五六万九、二〇〇円を免れ
第三 同四九年分の自己の実際の総所得金額は、四、六五九万二、五〇一円、これに対する所得税額は二、三一一万七、五〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同五〇年三月一四日、同税務署において、同署長に対し、総所得金額が五七〇万三、一五二円、これに対する所得税額が九四万八、八〇〇円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税二、二一六万八、七〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
検察官請求証拠目録1ないし59、62ないし73の各証拠ならびに被告人の当公判廷における供述
(法令の適用)
判示第一ないし第三の所為につき
所得税法二三八条(罰金併科)
併合罪
刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条
労役場留置
刑法一八条
懲役刑の執行猶予
刑法二五条一項
(裁判官 高橋通延)