大判例

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神戸地方裁判所伊丹支部 事件番号不詳 判決

主文

被告人を罰金五千円に処する。

右罰金を完納することが出来ないときは、金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

但し本裁判が確定した日から二年間右刑の執行を猶予する。

訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理由

罪となるべき事実

被告人は義弟の森田正一と共に被告として、川辺郡長尾村下中筋の坂上ぎんより、貸金百十万円の連帯保証債務について訴訟を提起されて、該訴状は神戸地方裁判所伊丹支部より、昭和二十九年三月六日送達されてこれを受領したものであるところ右債権に基く強制執行を免れる目的を以つて、被告人の妻時子と共謀の上、昭和二十九年三月下旬頃被告人所有に係る川辺郡長尾村中筋字大東町三十七番地の一の宅地十六坪同番地の三の七坪の土地並に同所五十二番地上の木造瓦葺平家建居宅一棟建坪二十二坪五合、附属物置三坪の建物を仮に長女妙子名義に移すことを企て同年四月一日頃伊丹市伊丹六八七番地司法書士大石保芳方にて同書士に、贈与証書を作成せしめた上、これに伴う所有権移転登記申請関係書類をも作らせ、同書士の手を経て、同年四月十二日神戸地方法務局伊丹支局に於て、その登記を終了し、以つて右不動産を妙子名義に仮装譲渡したものである。

証拠の標目(省略)

適条

法律に照らすと、被告人の判示所為は刑法第九十六条の二に該当するところ、罰金刑を選択し、罰金等臨時措置法第二条第三条に則り、被告人を罰金五千円に処するものとする。被告人に於いて右罰金を完納することが出来ないときは、刑法第十八条に則り、金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置するものとする。但しその犯情が刑の執行を猶予するのを相当と認めるから刑法第二十五条第一項第一号、罰金等臨時措置法第六条に則り、二年間右刑の執行を猶予するものとする、尚訴訟費用については刑事訴訟法第百八十一条第一項本文に前り、被告人に全部之を負担させることとする

仍つて主文のとおり判決する。(昭和三〇年六月三〇日神戸地方裁判所伊丹支部)

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